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日本代表FW岡崎慎司の著書「鈍足バンザイ」を読んだ。運動能力に恵まれなかった岡崎がイングランド・プレミアリーグで快進撃を続けるレスターのCFとして奮闘しているというのは偶然ではなく必然なのかもしれない。
鈍足バンザイ! 僕は足が遅かったからこそ、今がある。 | ||||
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「鈍足バンザイ」購入理由
過去記事 2016年に購入した本一覧(随時追加&書評も追加) | おっさんの放課後で購入理由は簡単に書いたが、あれだけ下手くそだったサッカー選手がどういうメンタリティで這い上がって、海外の1部リーグで活躍できるようになったのか。下手くそをテレビで実際に目撃したいた僕だからこそ、この本から得られるものもあるんじゃないか。そう思って、岡崎慎司唯一の著書を購入した。
「鈍足バンザイ」で語られていたこと
読了して印象に残ったこと、フレーズを以下に記す。
「」は引用。
全ての人への「感謝」
最近の日本では感謝の安売りというか、事あるごとに「感謝」を軽々しく口にするような風潮がある。そこに気持ち悪さを感じていた僕は、本当の感謝ってこういうことだよなぁと腹の底から納得できる気がした。
「鈍足バンザイ」の中で岡崎が感謝していたのは、幼少期のコーチ、高校の恩師、プロへスカウトしてくれた人、プロのフィジカルコーチ、清水エスパルスの先輩、清水エスパルスのファン、ドイツ移籍の代理人、嫁、おばあちゃん、母親etc
挙げれば枚挙にいとまがないが、最初から最後まで貫いていたテーマは「感謝」だったように思う。
それぞれにしっかりとした理由があって、特に岡崎の場合、運動能力が劣っていたからこそ、「ありがたい」と思う気持ちは人一倍強かったんだなぁと思う。
ミスを恐れる気持ちが財産に
「一流選手になり、毎試合のように大観衆の前でプレーするのが当たり前の選手になれば、ミスを恐れるなんてナンセンスだと思う。でも、若いうちはいくらでもミスを恐れていい。それがやがて財産になる。少なくとも僕の場合はそうだった。」(p104)
ミスを恐れることを克服するという観点ではなく、恐れる気持ちはそのままで、それがいつか自分の力になるという表現は岡崎ならではだなぁと。
まず短所と向き合え
「自分の短所に真っ正面から向き合い、少しでも改善できるように努力を積み重ねていきます。目の前のハードルを避けるのではなく、足をひっかけて転んでもいいから勇気を持って跳ぶんです。そこに成長の芽が潜んでいるのだと信じています。ただ、面白いことに『短所』を克服しようともがいていると、自然と『長所』も伸びてくるんですよね。」(p9~p10)
「まず難しいから始めよ」(p98)とも書かれている。
苦しいこと辛いことからは徹底して逃げないという強さが岡崎にはある。
いじけるな
「センスが悪いと笑われようが、バカにされようが、大切なのは、いじけないこと。そうすれば、致命的と思われる欠点も自分に何かをもたらすきっかけになるみたいだ。」(p56)
頑張る前に「考えろ」
がむしゃらだけではだめ。その前に正しい方法、方向を見極める必要がある。(p20、p210)
あの岡崎ですら考えているんだから、一流アスリートで「考える」ことを放棄した選手はいないんだなぁと改めて思った。
長谷部誠をディスる文章
この本の中で一番笑ったのが、「圭佑といえば誰だって有言実行のヒーローを思い描くだろうし、インテル・ミラノに所属する佑都と聞けば多くの人が瞬時に『努力』の二文字を思い浮かべることができるはずだ。ハセさんは日本のみならずドイツでも評価される高いプロ意識と折れない心を兼ね備えたキャプテンで、心が整っていることは広く知られている。」(p51~p52)
ちゃんとボケの前にフリを入れてくる所が生粋の関西人って感じがしましたw
岡崎慎司という人生
彼の生い立ちを読むと、能力ではなく、真面目な態度や、下手くそなのに努力し続ける姿に魅了された人々が手を差し伸べるという構図があった。
そして、よい環境が与えられるとまた努力、その繰り返しでどんどん成長していく。
無理なもの、不必要なものは早急に諦め、取り入れられるもの、成長できるものというベクトルで常に進化し続ける。
その結果、清水エスパルスのスカウトが「まさかここまで」と表現するほどの選手になった。
それが岡崎慎司という人生のように思えた。
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泣いて喜びます。
<a href="http://49hack.jp/donsokubanzai/">岡崎慎司のメンタリティの強さは「鈍足バンザイ」に書いてあった。</a>