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黒木渚は2016年僕の最大の発見。黒木渚を全然知らないという人に勧めたいおすすめ曲を5つ紹介します。曲の発売年度と収録されているアルバム、シングルを明記し、MP3ダウンロードができるリンクを貼りました。
彼女の長所と短所についても書きます。
目次(クリックでワープ)
黒木渚との出会い
出会いはLINE MUSICでした。J-POP最新リリースというプレイリストで流れた黒木渚の「灯台」が耳に留まり、他の楽曲を聴くと紛れもない天才でした。
灯台
僕のベスト5には惜しくも入ってませんが、出会いの曲ということで紹介します。
2016年7月1日配信開始、映画「全員、片想い」の主題歌。
LINE MUSIC
黒木渚のおすすめ曲ベスト5
2016年9月25日までに発売されたシングル全曲と(あたしの心臓あげる、はさみ、虎視眈々と淡々と、君が私をダメにする、ふざけんな世界ふざけろよ)、アルバム全曲(標本箱、自由律、黒キ渚)を視聴し、個人的なお気に入り曲ベスト5を紹介します。
第1位 金魚姫
「女は金魚 円を描いて誘う 初恋の弔いを終え 泣きながら泳ぐ」歌詞全文
「初恋の弔い」という1フレーズで心を鷲掴みにされました。世界観はaikoのカブトムシに近く、私を金魚に喩え、金魚をすくうと救うで韻を踏んでいます。カブトムシとは違う美しい世界観があります。2014年4月に発売された1stアルバム「標本箱」に収録。
「金魚姫」動画
MP3ダウンロード
Amazonとitunesなら単曲250円で買えます。
参考金魚姫 – 黒木渚(Amazon)
参考金魚姫 – 黒木渚(itunes)
第2位 はさみ
「冷たいはさみ 背中に当てれば 何故だろう 火傷よりも熱い」歌詞全文
リストカットをする精神的に危うい女性のことをネットでは「メンヘラ女」などと揶揄しますが、「はさみ」ではリストカットをする心情について、深い洞察があります。
死のうと思って自分を傷つけるのではなく、自分の中の憂鬱や恥じる心など、負のものを取り出し、生まれ変わるために傷つけているのだと。
「あなたと対をなして世界を見れば 『完全』になれる気がするのに」と自分たちの関係性をハサミに投影する表現も見事です。
2013年10月16日発売の2ndシングル。2ndシングルにしてこの名曲とは将来が末恐ろしい。これもアルバム「標本箱」に収録。
「はさみ」動画
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参考はさみ – 黒木渚(Amazon)
参考はさみ – 黒木渚(itunes)
第3位 アーモンド
「都会の小さな公園で はじかれてしまった透明な存在」歌詞全文
「アーモンド」という一見どう処理しても名曲にならなそうなフレーズが、嗅覚を使って前向きな歌詞として表現されていて、何の違和感もなく名曲になってます。
2015年10月7日発売の2ndアルバム「自由律」に収録。
「アーモンド」動画
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参考アーモンド – 黒木渚(Amazon)
参考アーモンド – 黒木渚(itunes)
第4位 虎視眈々と淡々と
「嘘をついてついてついてつきまくれ 染まらない何かが本物だ」歌詞全文
カッコよすぎる歌詞満載の曲が「虎視眈々と淡々と」、曲のタイトルが韻を踏んでいて僕は好きですが、狙いすぎてる感じが一般には少し受けいれにくいかもしれません。
参考リオ五輪閉会式の日本引き継ぎセレモニーで隠された韻踏みを深読みしてみた
曲の中で、世界で一番暗い場所は〇〇、世界で一番素敵なのは〇〇、世界で一番悲しいのは〇〇、世界で一番孤独なのは〇〇、という大喜利のようなお題が出てきます。自分だったらなんと答えるか、そしてその理由はなぜかを考えてから、黒木渚の答えを聴いてみるとレベルの違いを知ることになります。
2015年1月12日発売の3rdシングル。2ndアルバム「自由律」に収録。
「虎視眈々と淡々と」動画
MP3ダウンロード
参考虎視眈々と淡々と – 黒木渚(Amazon)
参考虎視眈々と淡々と – 黒木渚(itunes)
第5位 あたしの心臓あげる
「あたしの心臓あげる 毎晩抱いて眠ってね」歌詞全文
インディーズ時代に発表した処女作1stシングル(九州限定)で、爆発的に売れて全国販売になったという伝説の曲。英語なのに英語に聞こえない不思議な曲です。刺激的な歌詞が脳裏に焼き付きます。2013年3月20日発売のミニアルバム「黒キ渚」に収録。
九州限定にもかかわらず、全国のインディーズチャートで14位、有線インディーズチャートで1位を獲得し、2013年1月8日から全国発売されることなった。その後も10週連続でオリコンインディーズチャートTOP20 にランクインし続けた。
「あたしの心臓あげる」(short version)
MP3ダウンロード
Amazonデジタルミュージックでは未販売。
あたしの心臓あげる – Single – 黒木渚(itunes)
惜しくもランクインしなかった曲
6位は「窓」
大好きでヘビーロテーションで聴いてるんですが、今回はベスト5を紹介するという記事なので紹介していません、Youtubeにまともな動画がないしね。
7位以降
革命、マトリョーシカ、骨、命がけで欲しいものひとつも今回はランキンク外。アルバムやシングルが増えてきたら、改めてベスト10の記事を作りたいと思います。
黒木渚の長所
彼女の長所について考えてみました。まだ発売しているアルバムが少なく、ライブに行って生で聴いたことがないので不確定要素が多いですが、今感じていることを書きます。
歌詞が文学作品レベルのクオリティ
黒木渚の歌詞は質が高すぎます。歌詞の範疇を超え、文学作品として出しても恥ずかしくないとんでもないクオリティです。作品として美しさや深さを感じる言葉が並べられていて、それでいてキャッチーで、曲が力強い。文学をこじらせたような東京事変のような詩ではありません(椎名林檎ファンの人ごめんちゃいw)。
事実、彼女の詩の世界にインスピレーションを受けた映画監督の鶴岡慧子が、黒木渚「標本箱」をモチーフにした映画「うつろいの標本箱」を制作しました。2016年10月29日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショーが始まります。
また、黒木渚の楽曲からインスピレーションを受けた若手映像作家らが尺、ジャンルを問わず、自由な発想で創作された作品がYoutubeで公開されています(全6作品中現在5作品が公開されています)。
一般人だけでなく、クリエイターを刺激するほどの歌詞に注目してみて下さい。
オノマトペ的表現
オノマトペとは擬態語と擬音語の総称です。黒木渚は、英語の独特な発音や息継ぎの妙で、言葉を擬音語や擬態語の音声のように聴かせリズムのよい曲を作ります。
「あたしの心臓あげる」での英語の発音や「虎視眈々と淡々と」のギラッとした本性、~爆音、ズバッと撃ち抜いてみる、~一撃に、~人生という擬態語、体言止め、擬音語、体言止めという流れが鮮やかで、思わず体が揺れてしまいますw
黒木渚の歌詞は歌詞の深さだけでなく、リズムのよさも考慮されているので、リスナーは歌詞を覚えるのではなく、音を覚える感覚で、気づけば彼女の歌のトリコになっています。
時代的重要性
僕は歌詞より曲重視派で、「歌詞なんか所詮音の1つ」「曲より歌詞重視なら、音楽じゃなくて詩を読め」という意見を持っていました。いい歌詞=いい曲ではないのだから、曲を重視すべきだと。
90年代の小室サウンドが好きで、globeは今でもお気に入りです。小室哲哉の作曲方法はまず曲ありきで、後から歌詞をつけていく方法だったというのも、歌詞より曲を重視する要因になっていたのかもしれません。
2010年代になるとアイドル全盛時代に突入し、星の数ほどアイドルの曲を作るために歌詞がおざなりになりました。90年代は後付の歌詞であっても、まともな作品を作ろうという気概を感じましたけど、今のアイドルの曲を聞いているとやっつけ感が半端無いです。ファンや子ども、頭の悪いDQNに媚びた歌詞が多すぎます。
Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのように歌詞を捨てて曲を聴かせるというのは全然OKです。口パクでもかまいません(中田ヤスタカの曲調の幅の少なさも指摘されてますけど、僕は好きです)。
問題はしっとりと聴かせる本物のような雰囲気をだしている癖に歌詞がペラペラというパターン。愛してるとかありがとうとか書いてるだけで心の機微がまるで書かれてないものです。西野カナの震える多用がよくネタにされますけど、歌詞の低品質化は近年著しいと思っています。「美空ひばりの愛燦燦を煎じて飲め!」と心の中で唱えています。
そんな時代に燦然と現れた黒木渚。歌詞と曲を同時並行で作り上げていくスタイルなので、いい歌詞=いい曲という方程式が、彼女の場合かなりの確率で当てはまります。
歌詞軽視派の僕が歌詞の重要性に気付かされたミュージシャンです。
スタイルがいい
ブスだって、スタイルが悪くても曲が良ければ僕はファンになります。
が、悪いよか良い方がいい(笑)
黒木渚の身長は170㎝!でかい!!顔も愛嬌があって好きです。
メディア戦略が多用
冒頭で説明したLINEMUSICに楽曲が登録されてますし、Facebook、twitterだけでなくInstagramやLINEブログも始めていて、PRのためには古臭い手段に囚われない販売戦略をとっています。
黒木渚の短所
編曲がチープ
全てではないですが、編曲が安っぽい、チープだなと感じる曲があります。作詞作曲編曲と全て自分でやっているようなので、編曲はプロにお願いした方がよりいい作品が出来そうな気がします。
LIVEパフォーマンスに波がある
Youtube動画だけで判断して申し訳ないですが、LIVEでも「おお、CDまんま」と思う時もあれば「どうした?下手くそやなぁ」と思う時もあります。
CDの歌声も発声が力強くなく上滑りしている感じ。音程の高低はしっかりとれてるけど、声に太さがないので、パワフルさや安定感にかけるといった印象です。平原綾香、絢香、superflyのように腹からでる声を聞いてみたいです。
2016年8月に咽頭ジストニアになり、以降のライブが全てキャンセルになりました。これまでのライブパフォーマンスにも影響したと考えられるので、病気が治れば、安定するのかもしれませんね。
今春より喉の不調が続いており、専門医やボイストレーナーなどとあらゆる処置を施し、最大限の調整を重ねて活動を続けてまいりましたが思うように快方に向かわず、歌唱をする際に喉周りの筋肉が収縮して、非常に発声が困難な状態に陥ってしまう症状が続いております。専門医からは「咽頭ジストニア」と診断されました。
歌詞が放送できないような過激な曲がある
「ウェット」という曲の歌詞が殺人を連想させる物でかなり過激です。歌詞全文
森山直太朗の「生きてることが辛いなら」の歌詞の一部が自殺を肯定しているのではないかと批判されたことがありましたが、比べ物にならない程過激です。たぶんテレビでは歌えない。
歌手なんて放送コードとか政治とかをぶっ壊すために存在している所もあるので、過激だからダメとはなりませんけど、子どもを守る大人の立場からすると、あんまり過激な歌を歌っている人の曲は聞いてほしくないなぁと思うので、ネックになりそうな点です。
バンドを早期解散している
2013年にバンド「黒木渚」を解散し、2014年より「黒木渚」としてソロ活動を始めています。バンド期間は2010年12月~2013年12月までの3年間。
解散理由
「もっと良いものが作りたい」という私自身の思いが一番の理由です。これまで私達はライブやクリエイティブ周りの事などに関して、メンバー間で話し合いながら作り上げてきました。メンバーはいつも一生懸命だったし、真剣でした。けれど、いつからか何かが上手くいっていない気が私はしていました。ポジティブで遊び心を失わない集団からしか、クリエイティブなものは生まれてこない、と私は常々思っています。けれど黒木渚はいつの間にかそうじゃ無くなってしまっていた。その時に私達の限界を感じました。
Superflyと経緯がほぼ同じ
早期にバンドの解散があって、バンド名をソロ活動時に引き継ぐという経緯はSuperflyと似ていますね。バンドの解散がなければ名曲の数々も生まれてこなかったと考えれば、英断なんですけど、好意的にはなかなか受け止められません。
まとめ
黒木渚は一般的にはまだ売れてないミュージシャンですが、歌詞のクオリティがすごいし曲もかっこいい。アルバムはまだ2、3枚しか出してないし、ファンクラブも最近できたばっかりなので、ファンになるなら今が一番おもしろい時期!
ライブに行って良かったらファンクラブに入ろうと考えてます。玉置浩二のファンクラブも思案中ですw
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泣いて喜びます。
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