「僕とカミンスキーの旅」の感想、あらすじ、評価、公開映画館の情報

この記事は2017年5月2日に更新しました。
情報が古くなっている可能性があるのでご注意ください。

この記事の読了時間は約12分です。

大学生の頃に映画館で見た「グッバイ、レーニン!」の感動が未だに忘れられません。

日本でも2015年に日本テレビで深夜に、2016年に関西ローカルのサンテレビでゴールデンタイムに放送されたので見た方も多いんじゃないでしょうか?

※「グッバイ、レーニン!」はAmazonプライム会員であれば無料で見れます。

「グッバイ、レーニン!」のヴォルフガング・ベッカー監督&主演ダニエル・ブリュールが12年ぶりの再タッグを組んだ映画が「僕とカミンスキーの旅」です。

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映画の原作

ダニエル・ケールマン(Daniel Kehlmann)の「Ich und Kaminski」(2003)が原作、26ヶ国で翻訳されています。

僕とカミンスキー 盲目の老画家との奇妙な旅
by カエレバ

映画「僕とカミンスキーの旅」のあらすじ

予告動画から察するに、盲目の天才画家が突如姿をくらまし、その50年後に崖っぷちの青年美術評論家が画家の居場所を突き止める。老画家の抱える謎を一緒に解き明かしていくうちに次第に友情が芽生え・・・みたいなストーリーです。

「僕とカミンスキーの旅」予告動画

映画の原題は「Ich und Kaminski」

公式サイト

SNS

Facebook(日本)https://www.facebook.com/me.and.kaminski/

Facebook(海外)https://www.facebook.com/IchUndKaminskiDerFilm/

Twitter https://twitter.com/me_kaminski/

「僕とカミンスキーの旅」概要

2015年に公開された映画、日本では2017年4月29日〜全国の映画館で上映

評価

2017年2月9日現在、IMDbでは10点満点中6.9点(565人採点)と高評価ではない。

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海外の感性なんか当てにならんやろ!

Filmarksでは先行試写会に行った日本人が採点していて5点満点中3.8となかなかの評価。

年齢制限

R15+:「15歳以上の方がご覧いただけます。生年月日を確認できるものをご持参ください」

ジャンル、放映時間

コメディ要素のあるヒューマンドラマ(予想)、123分

公開予定の映画館

近畿で上映が確定しているのは大阪、京都、兵庫の3つ。

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少なすぎやろ・・・

人気が出れば、終了期間が延長され、上映される映画館数も増えます。
全国の上映情報は画像クリックで確認できます。

テアトル梅田

大阪ではテアトル梅田でしか見れません。

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上映されるのがGW中になので混雑しませんように!

場所

ロフトの近くに併設された映画館。

昔迷いに迷って、ロフト内のさびれたエレベーターで地下に降りたあそこだ。

前売り券の購入

映画前売り券サイト「メイジャー」で前売り券を購入しました。

通常、前売り券は上映が決まった映画館に出向いて買う必要がありますが、「メイジャー」を利用するとネットで購入ができます。前売り特典のグッズもほとんど付いてきます。

会員登録をしなくても楽天ID決済で買えるので楽チンです。

参考映画前売り券サイト「メイジャー」の特長、購入方法、届くまでの日数

僕とカミンスキーの旅の前売り特典はオリジナルステッカーです。

「僕とカミンスキーの旅」感想

4月29日の公開以降に僕の感想を追加して記事を更新します。
「pk」を一緒に見た男友達も予定が合えば一緒に行くので、友達の反応や感想も書ければなと思っています。

参考 映画「pk」の感想、あらすじ、評価、公開映画館の情報

追記)5月1日に僕とカミンスキーの旅を映画館で見てきました!

おぼろげな記憶を頼りに映画で印象的だったフレーズと感想を書きます。

※フレーズはおおよそ

本編は予告編以下

予告編ではシンプルな友情、笑い、人生論が詰まった名作映画の気配を感じました。

本編は予告編以下、期待して見るとだいぶがっかりする内容。

1度見ただけでは全然(良さが)わからない系の映画だと思います。

大まかなストーリーはわかりやすいんですが、

  • 時間軸が多少前後している
  • 妄想と現実の境界が曖昧なシーンがある
  • 肝心な部分の詳細はわからない

という3点が複雑に絡み合っていて、シンプルどころか複雑怪奇な印象を受けました。

ヒューマン映画のはずが随所にサスペンス要素があるという気味の悪さ。

映画館で見るよりレンタルビデオで借りて2〜3回見た方が、映画の隠された意図を理解できるかもしれません。

映画のテーマは「老い」「恋愛」「芸術」

老いるとは何か

「私は生きているがこの世に存在していないのと同じ」

「若かった頃の私は絵のように美しかった。今では絵だけが美しい。」

など老いることについての名言がいくつもありました。

カミンスキーも元々悪かった目が老化により失明の危機に瀕しています。

老いによる肉体的衰退や認知症の発症などをテーマにしているように感じました。

恋愛

  • 50年前に別れた元カノを引きずるカミンスキー、
  • 2度結婚した後に違う男と同棲しているカミンスキーの元カノ、
  • 仕事がうまくいかず、恋人に振られながらも必死にしがみつくツェルナー
  • 医者と付き合っている家政婦

いろいろな形の恋愛が提示されていました。

「当たり前の普通のことがある日突然目の前からなくなってしまうんだよ。それでも生きていくしかないんだよ」

芸術

それまで見向きもされなった作品が「盲目の画家」と特集されると、津波のようなムーブメントとなった。

「自画像はどう描いたって自分の認知の歪みや修正が入ってしまう、発想の転換で、それならその間違いをそのまま描いてしまえ!」

「線は重要じゃない。光だ。光がレンズに入ることで色が決まる」

最後まで明らかにされなかった謎

謎が謎のまま終わるので見ていて疑問符だらけになりました。

謎を解くヒントが映画の中に巧妙に隠されていたようにも感じますが、僕の観察力では1回見ただけでは全くわかりませんでした。

明らかにされなかった謎をまとめて、その解釈や答えを推測してみます。

カミンスキーは失明していたのか?

カミンスキーはサングラスを終始かけていて、作中で光やぼんやりとした輪郭は見えるとカミンスキー本人が言ってましたが実はかなり見えています。

ツェルナーの入室するタイミングがはっきりとわかったり、膝枕をしてくれた女の人を描いた絵が本人と似ていたり、元カノの家に飾られていた絵がわかっていたりしていたので、個人的にはカミンスキーの眼はほぼ見えていたと思います。

なぜ元カノはカミンスキーの元を突然離れたのか?

本編の大きな謎の1つでしたが最後までわかりませんでした。

元カノからの手紙の内容、関係者の証言、再会場面での発言を紐解けば見えてくるものがあるかもしれませんが・・・。

カミンスキーは元カノに何をつぶやいたのか?

再会場面でカミンスキーが元カノの耳元で何かをつぶやき「もう歳だからそれはできない」と言われていました。

再婚の申し出でもしたのかな?と思いましたが詳しくはわかりません。

75歳の誕生日に元カノは何を言ったのか?

カミンスキーの元カノと同棲している男性が、おもしろ話として元カノが75歳の誕生日の時に言ったコメントが傑作なんだよーと話し始めますが、コーヒーを入れることを元カノに催促されたり、カミンスキーの娘がツェルナーを追って家に来た応対で何をしゃべったのか明らかにしないまま会話が終わってしまいました。

カミンスキーが元カノに直接聞いても「何もしゃべっていない」と言われていました。

なぜ75歳の時なのか?

なぜカミンスキーに知られたくないのか?

発言を推測するには手がかりが少なすぎて全くわかりませんでした。

元カノは本当にボケていたのか?

カミンスキーの元カノ(テレーズ)は同居人が席を外すように誘導したり、ところどころ正気にもどったかのような瞬間がありました「最初に描いてくれた鏡の絵が怖かった」

家にかかってくる電話は全て「ナイン(nein – ドイツ語で否定の副詞)」と1秒で応答し電話切る対応をするあたりは相当ボケが進んでるのかなと思いましたが、同居人は「近所の子供が声色を変えていたずら電話をしてくるからそう応対しているんです」と言っていました。

即切りをする元カノ、ありえない理由を信じる同居人。

ここで思い浮かんだ解釈は

同居人の男がボケているのではないか?

再会の後、カミンスキーの娘が10年前にカミンスキーの元カノを訪ねた事があると話します。

それならば元カノの即切りは元彼の存在を知られたくないがための策であると理解できるのでありえない理由を信じている同居人の方がおかしい事になります。

バーにいた若い男(美術誌の関係者?)ですらカミンスキーの名前を知っていたのに、同居人の中年男はカミンスキーの名前を知りませんでした。

コーヒーを出してと言われてもすぐにそれを忘れてしまう。

話のオチを言わずに違う話を始める。

同居人がボケていると考えると腑に落ちる点が多くあります。

「元カノは2度の結婚をし、4人の孫がいる」という同居人の発言は真実だったんでしょうか?

「孫は3つ目の通りを左折、そして3つ進んだところに住んでいる」という発言は元カノの演技だった可能性があります。カミンスキーの名前もあえて間違えていたのではないか。

「10時になったら元カノはお決まりのテレビ番組を見る」というボケた同居人の発言に合わせてそれを習慣化していたのではないか、持っていたリモコンが実は録画機器のリモコンだとしたら?

考えられるのは

  1. 同居人がボケていて、それを悟られないように自分がボケているように見せた。
  2. 同居人も自分もボケ始めている。はじめは取材を断るために始めた応対とその嘘だったが、ボケ始めてしまい、今では行為のみが残った。

という2つ。

ツェルナーは病気だったのか?

睡眠薬のような薬と酒を飲んでいる描写がありました。

やたらと物にぶつかってグラスを割ったり、牧場に落っこちたりしてたので、薬による注意力の欠如、あるいはカミンスキーのように目になんらかの疾患が出てきているのかもしれません。

解せないのはカミンスキーの自伝案をツェルナーがプレゼンした際の相手のつれない反応。

十分魅力的な内容だったと思います。

ここで思い浮かんだ解釈は

ツェルナーが病気だということに本人だけが気づいていないのではないか?

レオナルドディカプリオ主演の某サスペンス映画のトリックと同じ現象。

だからプレゼン内容が魅力的であっても病人の戯言としてぞんざいに扱われているのかなと思いました。

冒頭の場面で唐突に差し込まれる車掌を殺める場面など、ツェルナーの精神内界を表現したにしてもあまりにも残虐。普通の人がこんな暴力的な発想をするかなと。

同時期にライバルの美術ジャーナリストがカミンスキーの取材をしていた事が後でわかるので単純にツェルナーには期待していなかっただけかもしれませんが。

ツェルナーはカミンスキーを殺したのか?

「カミンスキーが死ねば伝記は爆発的に売れる」とツェルナーは言っていました。

途中からツェルナーは取材ではなくカミンスキーを殺すために来たのか?と思いました。

エルケの家でツェルナーはカミンスキーを狭い部屋に閉じ込めた悪夢を見ます、そしてカミンスキーも同じ夢を見ていました。それが現実に起こっていたとしたら。

ツェルナーがカミンスキーを殺そうとして狭い部屋に監禁していたのではないか。

映画のラストでは海にカミンスキーを置き去りにしてツェルナーは去ります。

誰も見つけられなければカミンスキーは死にます。

未発表の自画像2枚にカミンスキーからサインをもらったので伝記を出版しなくても莫大な金が入ってきますが、カミンスキーが死ねばもっとたくさんのお金が入ってきます。

死んだ後に伝記を出版すればもっとお金が入ります。

逃亡中に原稿や録音していたテープを海に投げ捨てますが、デジカメの写真は大事にとって胸ポケットにしまっていました。

「引用ではない、自分の記憶を元に書け」というカミンスキーの名言を体現するのであれば原稿や音声は必要ないので大きな問題にはならない気がします。

映画では伝記の出版やカミンスキーの生死については触れられず、ツェルナーのその後の人生について1ミリも紹介されません。

(映画冒頭のカミンスキーの死亡説はツェルナーの取材後だった可能性もある??)

考えられるのは

  1. ツェエルナーはカミンスキーを殺す事が目的だった
  2. ツェルナーは持病がありカミンスキーを衝動的に殺してしまった
  3. ツェルナーはカミンスキーを殺していない、海への放置はツェルナーのカミンスキーからの旅立ちを象徴する場面だった。

の3つ。

カミンスキーの娘が謎すぎる

カミンスキーの嫁が出てこないし、娘はカツラ被ってる謎設定。

音楽会にいた男と謎のアイコンタクト。

元カノ(テレーズ)の家に乗り込んでこないのはなぜ??

テレーズが話してた娘2人ってまさかカミンスキーの娘と家政婦じゃないよね(汗)

僕とカミンスキーの旅 評価

70点。

「解釈の幅が広すぎて、伝えたいメッセージがわかりにくい」

「何も具体的に明らかになってない、疑問だらけで中途半端」

笑える要素が少ない、唐突な性描写などなど不満点は多い。

恋人と見る映画としてはおすすめできない。

ただ2回3回見ると1回目で感じた謎も氷解するような気もします。

コメント欄での意見を激しく募集します。

原著読めばすっきりわかるのかなぁ。


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泣いて喜びます。

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