「シン・ゴジラ」人気の背景を考察する(ネタバレありの感想)

シンゴジラポスター

この記事の読了時間は約8分です。

ゴジラには全然興味がなく、「シンゴジラが面白い!」という記事をみても見に行こうと思わなかったんですが、同居している母親が「シンゴジラを見に行きたい!!」としつこかったので一緒に見に行ってきました。

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あらすじ

あらすじは予想通りというか、それしかないです、そうゴジラが日本に出現して暴れる話w

お決まりのパターンでこれが29作目というのはすごいです。

ゴジラシリーズの第29作である。『ゴジラ FINAL WARS』以来約12年ぶりの日本製作のゴジラシリーズ

wikipedia シンゴジラ

参考映画『シン・ゴジラ』公式サイト

予告動画

感想(ネタバレあり)

率直に採点するなら70点位でした。一緒に見に行った母親の反応も同じでした。よくできて作りこまれてるけど、映画としてはイマイチ。「これを面白いと言っているのはどの層なの?」っていう感じでした。映画館で見てそうだったのでテレビで放送となると、さらに評価は低くなってしまうと思います。

記憶が曖昧な所もありますが、良かった点、悪かった点をまとめます。

良かった点

  1. シンゴジラ出現の経緯、出現してからの政府の動き、世界の動きなどがリアルで日本の直面している社会問題を皮肉っていた。
  2. 終始緊張感のあるシーン
  3. 石原さとみがエロい
  4. 解釈が色々できるラストシーン

シンゴジラ進化の理由

放射能汚染物質の海への不法投棄によって、その環境に対応するために放射能能力を持ったシンゴジラ。完全に今の日本の何十年後か先の未来の話です。

ゴジラ出現後の政府の動き

ゴジラ出現を頑なに認めなかったり、対策室を立ち上げて専門家を呼んでヒアリングをしたり、メディア対応のいざこざなど非常にリアルで東日本大震災の裏側を覗いているようでした。

ゴジラ出現時には国民の愚かさを(一刻も早く逃げなきゃいけないのに服をカバンにつめる、逃げずに動画を撮影する)、出現後には総理の愚かさを(自分で何も決められない、傀儡)印象的に描いていました。

世界を巻き込む

日本がゴジラに襲撃されると、当然、世界も動きます。国連の多国籍軍編成、アメリカの介入によるシンゴジラ情報の搾取、原発先進国フランスの助けなど、徹底して「もしゴジラが本当に日本を襲撃したら」という前提でストーリーが作られていました。

終始緊張感のあるシーン

ゴジラ出現は1回で終わらず、進化して二回目登場、体内のエネルギー源を使い果たすと貯まるまで制止。その間に対策を練るというタイムリミット設定で初めから終わりまで緊張感のあるシーンが続きます。

石原さとみがエロい

石原さとみがアメリカ側の特使かなんかで英語をしゃべりまくります。イーオンの英会話教室のCMに出ているのでさすがだなぁと思いました。んで超セクシー。

ただ、英語の発音がネイティブが聴くとひどいらしく「シンゴジラの唯一の欠点は石原さとみの英語」とまで言わてました。可哀想…

エロければ何でもOKでしょうが!w

解釈が色々できるラストシーン

シンゴジラのズームアップで映画が終わりますが、そのシンゴジラの体に人間の歯のような形状のものがあるということで、元は人間なんじゃないか?みたいな解釈が巻き起こりました。

解釈が色々できる、複雑であるというのは良い映画の条件です。

作家の筒井康隆も「作品は作家の手を離れた瞬間から読者の物になる。解釈は自由でそれを作家がどうこういう筋合いはない」と関西ローカルの番組で話してました。

悪かった点

  1. リアリティにこだわりすぎて物語としてのひねりがない
  2. 出演者全員が早口
  3. シリアスな映画なのにボケの要素がある
  4. 血液凝固剤の注入シーンに無理を感じる

リアリティにこだわりすぎて物語としてのひねりがない

シンゴジラはゴジラ出現という非リアルなことを、「もしゴジラが本当に日本を襲撃したら」という前提で徹底してリアリティにこだわった作品です。

リアルな出来事って想像が容易なので、「まぁそうなるわな」的な話がずーーっと続くので面白みに書けます。意表をつくことといえばシンゴジラが放射能を帯びていることと、最後のラストシーン位なもんで、どんでん返し好きの僕としては刺激が足りませんでした。

シンゴジラが面白くないんだったら過去28作のどれも面白いとは思えないんでしょうね。

出演者全員が早口

映画は2時間を超えると興行収入が落ちてしまうようで、映画「ソーシャル・ネットワーク」が上映時間を2時間におさめる為に、出演者のしゃべりを早口にさせた話は有名です。

シンゴジラもおそらく同様の問題を抱えていて、出演者全員が早口でした。ゴジラという緊迫性の高い出来事なので、早口であってもそれほど違和感は覚えませんけど、聞いているとやっぱり疲れます。

シリアスな映画なのにボケの要素がある

シンゴジラとのラストバトルで私鉄各社を使った攻撃があります。たしかその攻撃の名前が「無人在来線攻撃」ネーミングがおもろすぎて、緊張感ある場面なのに笑ってしまいました。遊び心は好きですけど、シリアスに作ってるならボケの要素はいらなかったんじゃないでしょうか。

血液凝固剤の注入シーンに無理を感じる

シンゴジラを倒すには爆撃では無理なので、体内に血液を凝固させる液体のクスリを注入します。計算された必要分を100%として、今~%!という手に汗握るシーンがあるんですが、ちょっと無理を感じます。

無人在来線攻撃などをくらってノックダウンしたら注入、再び移動して倒しては注入を繰り返しますが、ゴジラの移動した先に、血液凝固剤をタンクに詰め込んだ重機を素早く移動させられるとは思いません

道は荒れ果ててるし、ゴジラは移動早いはずやし、血液凝固剤もゴジラを固まらせる分ギリギリしか作れてないって話なので、移動するであろうところに重機を配備させておくってのも無理なので、映画のようなシーンはちょっと強引です。

「シンゴジラ」人気の背景

シンゴジラがなぜこれほどまでに人気が出たのかについて

潜在的な「巨大物への畏敬の念」が日本で強まっていた

漫画「進撃の巨人」

漫画「進撃の巨人」が近年、人気になりました(2015年コミック売上ランキング3位、2015年10月現在累計5000万部)。壁を隔てて人間と共存していた巨人が、壁をぶち壊して攻め込んでくるという話です。

僕は全然おもしろくなくて途中で読むの止めましたけど、「巨大な生物が攻めてくる」っていう話は人間の興味を引き付ける不思議な魅力があるようです。

ゲーム「モンスターハンター」

ゲームの世界では「モンスターハンター(3DアクションRPG)」が人気となり、仲間と協力して巨大生物をじりじりと倒すというテーマのゲームが続々とリリースされました。

今回のシンゴジラのラストシーン、倒しては血液凝固注入というのも、モンスターハンターをモチーフにしたように感じました。

そうした潜在的な「巨大生物への畏敬の念」が日本に蓄積されていて、今回のシンゴジラとマッチして、人気が出たように思います。

「進化」という要素

2回出現する

1回出てきて終わりだと、出てくるまでに話をひっぱらないと行けないので間延びしますが、シンゴジラはいきなり出てきます。これは進化前の姿で、その後進化してシンゴジラになります。進化の要素を盛り込むことで2回出現させれられます。

スマホゲーム「ポケモンGo」

また、ポケモンGoの配信(2016年7月22日)によって、「生物は進化するものだ」という暗黙の理解が浸透(再認識)し、「進化」に対して自然に受け容れられる土壌が整っていたように思います。

Pokémon GO

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東日本大震災

日本が破壊されている様は東日本大震災を彷彿とさせました。東日本大震災以降、どの映画の破壊シーンを見ても、日本人であれば東日本大震災を思い出してしまうと思います。

破壊が含まれる映画の背負う十字架

  • 映画の破壊シーンが東日本大震災より迫力があるか
  • 東日本大震災を思い出したくない人も思い出させてしまう、その上で「良かった」と評価されるクオリティの映画であるか

シンゴジラではこの2つの基準を満たしていたため人気が出たと考えられます。

復興へのメッセージ

破壊された街を見て、スクラップ&ビルトで日本は立ち直ってきたじゃないか!などと話す、前向きなシーンがありました。

スクラップアンドビルドとは、老朽化して非効率な工場設備や行政機構を廃棄・廃止して、新しい生産施設・行政機構におきかえることによって、生産設備・行政機構の集中化、効率化などを実現すること。

スクラップアンドビルド – Wikipedia

壊されても治すというのは被災地だけでなく、戦後の復興や、海外での日本人捕虜が築き上げてきた日本人のメンタリティです。そこに働きかけるメッセージは見ている者に響くものがありました。

政治家のあるべき姿

無能な政治家と有能な政治家が対照的に描かてていました。引き際こそが肝心という言葉も、2016年に世間を賑わせていた舛添要一前東京都知事のことがあったので、印象的に映りました。

放射能汚染物質を海に流した未来を描く

東日本大震災の原発問題で、放射能に汚染された物質を海に流すということが行われていますが、普通に考えて環境にいいはずがない。でも、そうするしかないという日本のジレンマを上手く取り上げて、その結果、シンゴジラが誕生したという背景になっています。

単なるお話ではなく、こうなるかもしれないという日本の未来の話。

3行まとめ

シンゴジラはよくできた映画だがつまらなかった。

潜在的な「巨大物への畏敬の念」の日本での強まりとマッチし、ポケモンGo人気、舛添要一の引き際の悪さ、東日本大震災の懸念材料などを上手く取り入れた映画だった。


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泣いて喜びます。

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