松岡修造のメンタル管理術を学ぶ(書評:本気になれば全てが変わる)

本気になればすべてが変わる

この記事の読了時間は約12分です。

松岡修造(2015)「本気になればすべてが変わる 生きる技術をみがく70のヒント (文春文庫)」を読了しました。

本書のメインテーマは「本気になるにはどうすればいいか」です。

プロテニスプレイヤー~引退後のキャスターとしての経験を元に、どうすれば自分を成長させていくことができるかについても様々な方法が紹介されていました。理想論だけに終始している本ではありません。

熱い人、おかしな人など修造を形容する言葉は山程あります。僕も「この人は元々変わった人なんだろうな、どんな考え方をしているのか知りたい」と思い本書を手に取りました。

熱い男、松岡修造。テレビでの振る舞いしか知らなかったので、著作を読んでみることにしました。何より、本のタイトルがストレートで良書の予感がプンプンします。

2016年に購入した本一覧(随時追加&書評も追加)

内容は予想とは違い、凡人であった松岡修造がいかに努力してきたか、情熱を失うことなく生き抜いてきたかというエッセンスが詰まった良書でした。修造の人柄が垣間見えるような文章もあり、読んでいてとても面白かったです。

麻雀は、べつに悪い遊びではありません。でも、僕の凝りようは異常でした。犬が吠えても「ロン!」と聞こえるほどで、夢中だったテニスもどうでもよくなった。

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以下、松岡修造氏を「修造」と表記し、本の引用を元に感想を書きます。引用箇所は””で囲みます。locationページは電子書籍Amazonkindleのもの。

参考電子書籍(デジタル)と紙の本(アナログ)23項目比較表作ったよー!

修造のスタンス

「だから修造が好きだ」と思わず唸った内容について。

被災地訪問

芸能人のネガティブ発言の真意

東日本大震災では、お笑い芸人や俳優が「自分にできることは何だろうか、このまま仕事を続けていてもいいのだろうか」などの発言が多く聞かれました。

自分の仕事の意味を改めて問いなおすいい機会になったとも言えますが、子どもが親に「~くんの家に遊びに行っても本当にいいの?」と同じような、強い者(世間に)対するお伺いのようにも感じました。

お笑い自粛はやりすぎ

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喪に服すべき大きな災害だけど、お笑いを自粛するのはやりすぎだし、被災地の訪問についても時期さえ間違わなければどんな人でもきっと力になれる

修造衝撃の一言

修造は東日本大震災で気仙沼市にある東陵高校を訪問します。インターハイ出場を目指す高校でしたが、地震の影響で直近の大会への参加を取りやめになっていました。

そこで修造が語った一言が衝撃でした。

僕は頑張れと励ましに来たんじゃない。こんな状況のなかでさえ、前に進んでいるきみたちを確かめにきたんだ

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この1文に出会えただけでもこの本を買ってよかったと思いました。

「自分は何をしてやれるか」ではなく「自分は何を学べるか」

上から目線ではなく、常に相手を敬う姿勢を感じます。

修造の励ましは「頑張れよ」ではなく、「あなたなら頑張れるはずだ」という人間観に基づいた「頑張ってる姿を見に来たよ」

だから、励まされた人は嫌な気がせず、深い感謝を感じるんだと思いました。

応援する意味

修造の猪突猛進の熱血応援スタイルは海外メディアでも話題になります。

修造が応援する意味

応援することは、選手だけでなく僕自身にもパワーを与えてくれます。一所懸命な選手の姿はカッコいいし、「よし、俺もあきらめずにいこう」と気づかせてくれる。頑張っている人のパワーをもらって自分も頑張ろうという気になるのが、僕流の応援です。

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自分の内なるパワーを沸き立たせ、刺激をもらうというのは、被災地訪問時に話した一言と同じ態度ですね。

松本人志の応援観

僕の大好きなダウンタウンの松本人志は「他人のことを必死で応援できる奴なんて、自分のこと頑張れてない奴やからね。自分で精一杯やったら、他人のこと応援する気力なんてないから」という旨の発言を番組でしてました。(たしか熱狂的なサッカーファンについて、スポーツが好きではない松本がぶった切る流れでした。)

修造の考え方、松本人志の考え方、両方あって面白いですね。スポーツ好きな僕としては修造の考え方のほうが好きです。

勝負哲学

修造の生き方の根本哲学は「本気」です。

アスリートに限らず、年齢を重ねながら自分のために第二の挑戦をしている人は、「成功も失敗も関係ない」と考えているのではないでしょうか。自分が本気になれていれば、結果は二の次でいい。少なくとも、僕はそう思っています。

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勝ちという結果ではなく、戦い抜くというプロセスを重視します。

「いかに勝つか」ではなく、「いかに最後まで戦い抜くか」

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修造のメンタル管理

こう考えればうまくいくという工夫がたくさん紹介されていました。修造自身、超ネガティブだからこそ、どうすれば気持ちを前向きにできるかという思考法を多く生み出せたんだと思います。ただの熱血バカではありません。

「負け」に対する考え方

小さな負けは気にしない、最終的に勝負に勝つ。

勝負ごとというのは確率の問題で、最終的に十のうち六を制したほうの勝ちになるのですから、一つの「負け」にこだわることはありません。むしろ、「素晴らしい!」と相手をほめたたえると、その瞬間に自分の失点を忘れることができます。 「相手に不足はない。自分はいいライバルをもってラッキーだな!」と、気持ちを前向きにコントロールしていきましょう。

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ライバルを肯定する。「相手に不足はない」という言葉が男前。

「うまくいく」を動詞にする

「あと少しなのに失敗した」ではなく、「あと少しだから次はうまくいく」と考える。

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「~なのに**(ネガティブ)」と考えず、「~だから**(ポジティブ)」と考える。

1日でリセットできなくてもいい

ストレスのバランスシート作成の項で書かれていた内容。負けた時の気持ちの切り替えにも使えそうなので、ここで紹介します。

翌日から一週間ぐらいかけて少しずつリカバリーしていけばいいのです。一日一日で区切って考えないようにしましょう。

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切り替えとかリセットって、すぐやらなきゃいけないとか、1日たってもまだ引きずってしまっているなどと考えがちですけど、もう少し長いスパンで自分の調子を管理する目線を持ってもいいのかなと思いました。

困難はチャンス

眉間にシワを寄せていたところで、悪い状況が良くなるわけではない。むしろ、「これを乗り切れば、また一つ上のステージにいける!」と、明るく危機を受け止める姿勢が大切だということを、膝の故障で苦しんだ時期に思い知らされていた

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モチベーションを保つ方法

子どもの様に喜ぶ

いままでできなかったことができたことを、子供のように素直に喜ぶ感動がなければ、何をやっても面白くない、ということに気づいたのです。

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自分を奮い立たせて、本気度を高いまま行動できるかという点を考えぬいています。外聞は気にしません。

自分でほめる

人がほめてくれないのなら、自分で自分を思いっきりほめればいいのです。苦手な仕事にとりかかるとき、ため息をつく代わりに、「よしっ」「さあ、やるぞー」といった言葉を自分にかける

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自分の最大の応援者は自分であることの実践。評価を外部に求めない。

「やってられないよ」と思ったとき、「でも俺、頑張ってるよな」と、つぶやいてみて

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愚痴を自分のねぎらいの言葉に変換する。

「ウザい」はごまかしの言葉

「むかつく、ウザい」は、やる気のない自分をごまかし、気にいらない誰かのせいにする言葉。

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親や他人に対するウザいという気持ちの裏にあるもの。

「どっちでもいい」は逃げの言葉

「ビミョー、どっちでもいい」は、自分の頭で考えることから逃げている言葉

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考える力がなければ、困難な状況から抜け出す知恵が湧いてこない。

「同じプレー」を軽んじない

肝心なのは特別なプレーではなく、どんなときでも、いつもと同じプレーができること

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今日はパフォーマンスが悪かったなと思ったり、成長していないような気持ちになる時があります。大事なのは最高点の更新ではなく、いつもと同じことをどんな状況でもできるようにすること。そう考えれば平凡なプレーにも新たな意味が見えてきます。

修造の方法論

自分らしく輝くためのトレーニングという章で紹介されていたユニークなもの。

決断力を養成する方法

決断力養成トレーニング=「メニューを見て五秒以内に注文を決める」

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広末涼子
*マジで「来い」する5秒前

言いたいことをど忘れしない方法

会議やプレゼンで発言するときは、ポイントを仮想の「貼り紙」にしておく

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言いたいことを頭の中だけで記憶しておくのではなく、目につく外部の物体に、仮想ポストイットのようなものをペタッと貼り付けておくという方法。

1つの内容につき1つ貼り付けるイメージで外部の複数箇所に貼っておくとど忘れを予防できるらしい。

自分を客観視する方法

緊張したとき、僕はナレーターになったつもりで、「松岡、緊張しております」と、心のなかで言ってみます。まず自分が緊張しているという事実を認めてしまい、それを言語化することで自分を客観視する

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「落ち着け」という言葉は渦中の人にはほとんど効果がありません。自分で自分を客観視するという「セルフモニタリング」の重要性はわかっていてもなかなか実践は難しい。

ナレーターになるというのは簡単で、しかもその想像自体がユーモラスなことなので、客観視するには非常に効果的だと思います。怒りのコントロールなどにも転用できる気がします。

修造の分析力

文章が上手いな、論点が鋭いなと思ったこと。

ビッグマウスについて

有言実行タイプの選手は、自信過剰なわけではなく、「絶対に勝てる」と自己暗示をかけているうちに「根拠のない自信」が生まれてくるのだと思います。 夢や目標を自分に言い聞かせ、からだじゅうにしみこませて集中力を高める。人に宣言して、良い意味での緊張感を自分にもたせる。宣言することで、まわりの人たちからの応援を得て、それを力にする──。こうして自分をコントロールしながら次のステップに向かうやり方は、アスリートならずとも大いに参考になるはずです

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自分に言い聞かせることで、脳を成功体験へと意識づけるということについて書かれた文章。言葉にしにくいことも端的によくまとまってます。

自分の意見を押し通すことが主体性ではない

主体性をもって自立した人間であるということは、いろいろな関係性のなかで自分や相手の立場をきちんと把握できるということです。それが把握できれば、とりあえず「イエス」と言って相手の顔を立てておくべきか、喧嘩になってもいいから「ノー」と言うべきかの判断がつき、どういう戦略をとればいいかも見えてくるはずです。 「自立した人間になろう」と思うあまり、常に自分の意思をストレートに出し、無用の摩擦ばかり起こしていると、「喧嘩っぱやいやつだ」「人の意見を聞かないやつだ」と思われ、結果的に本当の自立に至らないというケースも、えてして多いものです。

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修造は自己の客観視と同じように状況把握についても大事だと語っています。客観視することで自分の弱点ややりたいことが明確になり、時には取るべき方略についても教えてくれると言っています。

メディアでは修造の情熱的行動の部分のみがフューチャーされますが、客観的分析と情熱的行動の両輪があるのが修造です。

「真剣」と「深刻」は違う

困ったことに「真剣」と「深刻」は、とても近いところにある。 僕自身、試合中に深刻になってしまうことがよくあり、「真剣にプレーすることは、楽しんでプレーすることなんだ」と、しょっちゅう自分に言い聞かせていました。

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オリンピックの柔道などでよく問題になる「負けて銅メダルなのにヘラヘラ笑うな」ということ関係している事柄だと思います。

もっと身近な例で言えば学園祭などで、「男子~もっとちゃんとやってよ」みたいな事だったり、部活の練習中に歯を見せるな(笑うな)というルールがあったりすることでしょうか。

「真剣→楽しい=笑う」のであって「笑う=ふざけている」ではないという指摘だと受け取りました。この問題についてはまだ僕の中で整理されておらず、文章にするのが難しいですね。

転職時の心得

良い条件が自分の力を伸ばす良い環境とはかぎらない

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給与などの条件面以外で、自分が成長できる環境であるかどうかが大事だと書かれていました。条件というのは今の自分への査定であって、未来の成長への約束ではありません。

「本気になればすべてが変わる」の最安値

500円ちょっとで新品を読むことができます。

これだけ内容を引用しても、ためになることがまだ山程書いてあります。是非、チェックしてみてください。

by カエレバ

意味がわからなかった言葉

ボキャブラリーを増やすためにメモ。

寄らば大樹の陰【ことわざ】 location 347

「大きくて力のあるものに頼った方が安心できるし、なにかと得だという喩え」

澱(おり) location 1412

「液体中に沈んだかす」

アンジュレーション location 1699

「ゴルフ用語。ゴルフ場のコース内の地面の起伏のこと」

随所作主 location 1727

「随所作主 立処皆真」で1セット
「随処(ずいしょ)に主となれば、立処(りっしょ)皆真なり」
「いつどこにいても、どんな立場でも何ものにも囚われず、常に主体性を持って行動すれば、もうそこには真実がある」
臨済宗の開祖である「臨済義玄禅師」の禅の教えの1つ。

阿諛追従(あゆついしょう)location 1879

「相手に気に入られようとして、大いに媚びへつらうこと。」


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泣いて喜びます。

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