電子書籍(デジタル)と紙の本(アナログ)23項目比較表作ったよー!

電子書籍の値段

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電子書籍で本を読むようになったのは今年の2月から。

電子書籍オンリーではなく、紙の本と併用して利用しています。

参考2016年に購入した本一覧(随時追加&書評も追加)

電子書籍のメリットとデメリットについて、自分なりに理解できたので整理します。

電子書籍を購入した方が便利な人、電子書籍だと都合が悪い人がいます。自分の読書方法、読書習慣に合わせて良い選択ができるような情報を徹底的にまとめて記事にしました。

電子書籍(デジタル)と紙の本(アナログ)の関係性について

表裏一体の関係性

電子書籍のメリットは紙の本のデメリット

電子書籍のデメリットは紙の本のメリット

であることが多いので、

  1. まず両者を項目別に比較した図で違いを明確にする。
  2. 項目を簡単に解説する。

という流れで書きます。

電子書籍(デジタル)と紙の本(アナログ)の比較表

電子書籍と紙の本の特徴を「買う」「読む」「置く」「売る」という4大項目、合計23項目に分けて比較整理しました。
○が良い評価。○→△→×の3つで評価。
電子書籍の評価は、Amazonが展開するKindleストアで電子書籍を買い、アンドロイドアプリで閲覧した場合の経験に基いて評価しています。

行為項目電子書籍紙の本
買う対応冊数△紙の本全てが電子書籍版を販売していない。○電子書籍版のみ販売している本もあるが数は少なく質も悪い。
試し読み△限定的○書店にあれば全て見れる
値段○安い×高い
付録△限定的○全てOK
読む持ち運び○簡単×不便
本の読みやすさ△読みにくい○読みやすい
読んだ実感△薄い○ある
理解の程度×浅い○深い
わからない単語○検索が簡単にできる×辞書で調べないといけない
線の引きやすさ○線の色も変えられる。書き込んだ線の一覧表も表示できる。×定規がないとまっすぐ引けない。
コメントの書き込みやすさ
図の保存○簡単×手間
読みながら寝てしまった○どこまで読んだかわかる×どこまで読んだかわからない
進捗状況の把握○%表示でわかる△大体しかわからない
ライトがなくても読める?○読める×読めない
雨の日の持ち出し○安心×不安
置く本の状態○いつでも新品×劣化する
置き場所○困らない×困る
収集の充足感×ない○ある
本のタイトルがばれるリスク○低い×高い
売る売れる?×売れない○売れる
人に貸せる?×貸せない○貸せる
消滅リスク購入していた電子書籍書店の閉鎖によるデータ消滅火事などの事故による本の消滅

電子書籍対応冊数と普及率、市場規模

電子書籍<紙の本

電子書籍 < 紙の本 という状態は2016年も変わりません。

売れるような本は大体電子書籍版が用意されているので、「この本、電子書籍で読みたいのにないやん!」ということはほぼありません。

出版が簡単になった

Amazonで電子書籍の自費出版ができるサービス「KDP:Kindleダイレクトパブリッシング」に代表されるように、手軽に電子書籍を販売できるサービスが普及し、そのおかげで「本を出版する」という行為の敷居が随分低くなりました。

Stores.jpのようなデータを売買するプラットフォーム(CtoC)も広まり、データさえあればそれを販売することが簡単に。

なので、電子書籍 > 紙の本 となる日もいつか来るかもしれません。

ただ KDPなどで販売された本の質は悪いことが多いので、本全体の質が紙の本と同じ程度になるのはまだまだ先かなという感じがします。

電子書籍の普及率

電子書籍利用率は2割で増えず、興味なしが66.7%

2016年3月の記事。調査は2015年1月~2015年12月のネット調査1100人。

電子書籍の利用率は1月度調査で18.5%だったのに対し、12月度調査では19.0%とほぼほ横ばいで推移した。一方、「利用するつもりはない」とする人が1月度調査では36.4%だったものの、12月度調査では43.3%と上昇。「あまり関心がない」の23.4%(12月度調査)と合わせて7割近くのユーザーが電子書籍に関心がないことが分かった。

電子書籍の利用率が2割弱で頭打ち、「利用意向なし」が増加、「関心なし」と合わせると6割以上に -INTERNET Watch

iPad が日本で発売された2010年は「電子書籍元年」と言われ、

Amazonが電子書籍販売を開始したのが2012年10月25日。

まだ10年もたっていない。

アマゾンジャパンは10月25日、24日に国内で予約受付開始した電子書籍端末「Kindle」向けの電子書籍ストア「Kindleストア」をオープンした。

「Kindleストア」オープン ITmedia ニュース

電子書籍の市場規模

市場規模は電子書籍、雑誌ともに拡大。

2014年度の電子書籍市場規模※1は1,266億円と推計され、2013年度の936億円から330億円(35.3%)増加しています。電子雑誌市場規模※2は145億円(対前年比88.3%増)と推計され、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,411億円となりました。

株式会社インプレス|ニュースリリース 『電子書籍ビジネス調査報告書2015』7月30日発行

日本の電子書籍市場は今後も拡大し、2019年度には2014年度の2.3倍の2,890億円程度になると予測されるとしている。

普及率が2割で横ばいだと仮定すると、その2割の利用者の購入傾向が紙から電子書籍へと本格的にシフトしていってる結果、市場規模が拡大してきたのかなと考えられます。

電子書籍を「買う」

電子書籍の値段

電子書籍の値段は幅広く、紙の本と同額のもの、少し安いもの、かなり安いもの、めちゃくちゃ安く中古本よりお得なものがある。

紙の本新品、電子書籍、紙の本中古の値段を図に表すと以下のようになる。

電子書籍の値段

セールでなくても、電子書籍の値段が紙本中古より安く設定されている本もあるが、大体は紙本中古よりちょっと高いのが相場。セールがかかれば中古より安く購入できる。

「とにかく安く本を読みたい」という僕みたいな人は、紙本中古と電子書籍を併用して読むのが一番お得に読める。

このことがよく知られれば、電子書籍の普及率はもっと上がる気がする。

電子書籍は著作物再販適用除外制度の対象となりますか。

著作物再販適用除外制度は,独占禁止法の規定上,「物」を対象としています。一方,ネットワークを通じて配信される電子書籍は,「物」ではなく,情報として流通します。したがって,電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象とはなりません。

よくある質問コーナー(独占禁止法):公正取引委員会

再販制度とは、メーカー(ここでは出版社)が小売業者(書店)に対し定価でのみ販売させることのできる仕組みのこと。

電子書籍の大幅な値引きセールで日本出版者協議会らが悲鳴

電子書籍の価格は電子書店が自由に価格を決められるようです。

Amazonが頻繁に行っているセールも勝手にやってるとは驚き。じゃないと他の電子書籍書店追随セールとかできないもんなぁ。

付録は電子書籍ではどうなるか

もらえない付録

電子書籍はデジタルという制約を受けるため、雑誌の付録でカバンが付録についている!のようなキャンペーンの恩恵は受けられない。

MONOQLO (モノクロ) 2015年 06月号 [雑誌]では「2014年バックナンバー1年分収録DVD(pdf)」が付録として付いてくるが、電子書籍版ではついてこない。

紙の本の付録に過去のバックナンバーの電子書籍はつけるが、電子書籍を買ったら電子書籍の付録なしというちょっとおかしな状態になっている。電子書籍で購入した場合はダウンロードリンクを公開してダウンロードしてもらわないといけないので、悪用される恐れが高いという判断なのだろうか。DVDにデータを入れて配布するよりかなり安上がりですむと思うけどなぁ。

巻末の資料的な部分も電子書籍化の都合上割愛されていることがある。この場合は書籍購入ページで注意書きがあるので見落とさないようにチェックしないといけない。

もらえる付録

付録が、URLにアクセスしたら壁紙やmp3がもらえるとか、~が当たる抽選に応募できるなどであれば電子書籍でも問題ない。

電子書籍で「読む」

重さを感じない携帯性

電子書籍を閲覧できる端末があれば、重くて分厚くてハードカバーの本でも外出先で簡単に読むことができる。端末の電池さえあればという条件つきだけど。

読みやすくはない

本は紙の本の方が読みやすい、というのは僕が幼少の頃にはタブレットやスマホで本を読むという習慣がなかったからであって、「デジタルネイティブ」と呼ばれる学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた人は、1タップでページがめくれる方が紙の本をペラっと1枚めくるより読みやすいと言うかもしれません。

読んだ実感が残りにくい

電子書籍が嫌だという人の多くは、「読んだ(読んでいる)気になれない」ということが大きな理由としてあげる人が多い気がします。本を読んでいるという実感が伴わないので、端末で本を読もうとは思えないと。

「本」という実体物として捉えられるかどうかがポイントだと思っていましたが、電子書籍の特性に問題があるのではないかという研究が2つあります。

電子書籍はなぜ頭に残らないのか?

興味深い実験結果が2つあります。

1つ目、

物語のプロット再構築、理解度テスト、記憶の保持において、電子書籍より紙媒体の方が成績が良かったという一連の実験結果。

参考電子書籍より紙の本で読んだほうが、内容をよく記憶できる:研究結果 | ライフハッカー[日本版]

原因はまだ明らかにされていませんが、ページをめくるという触覚が、記憶に大きな役割を果たしているのではないかと考えられています。

2つ目は、紙媒体(反射光)とディスプレー(透過光)では脳の働きに違いが出たとする研究結果。

同じ情報であっても紙媒体(反射光)とディスプレー(透過光)では脳は全く違う反応を示し、特に脳内の情報を理解しようとする箇所(前頭前皮質)の反応は紙媒体の方が強く、ディスプレーよりも紙媒体の方が情報を理解させるのに優れている
「紙媒体の方がディスプレーより理解できる」 ダイレクトメールに関する脳科学実験で確認|2013年|トッパン・フォームズ株式会社

これら2つの結果から、「電子書籍を読んでも読んだ実感がない」という感覚は正しいと思います。実感がないというのは、残った記憶が少ないので、読んだ気に(脳が)なれないということで説明がつきます。

電子書籍では触覚が不足しているという点については、改善の余地が期待できる技術があります。曲げられるディスプレイ(Bendable Display)の開発・実用化です。電子書籍を読みながら端末を曲げることができれば、ページ送りのような感覚で本を読むことができるのでは?という淡い希望があります。

次期iphoneでは曲面形状のディスプレイ(Curved Display)が搭載されるようですし、確実にその未来は近づいてきています。

参考「曲がる」、「伸びる」、「畳める」ディスプレイ開発の色々

参考iPhone、2017年に大幅刷新?!有機ELの曲面ディスプレイ採用、5.8インチモデル登場、ワイヤレス充電対応か | gori.me(ゴリミー)

辞書いらず

電子書籍は意味のわからない単語が出てくれば、画面を長押しして検索をすることができます。本を読みながら、片手で辞書を持たなくてもすみます。

残念なのは、そのわからない単語にルビがふってあった場合、検索がうまく機能しないことです。

線や書き込みがしやすい

電子書籍は線を引くのも簡単にまっすぐひけます。書き込みの場合はコメントを入力しなければいけないので、手書きに比べると少し面倒で自由度が低いです。

便利なのは引いた線やコメントを一覧表示できて、クリックすれば該当ページにすぐにとべる所です。紙の本だと付箋をはったり書き込みしたページを一覧で把握することはできず、「あれ、どこに書いてたかなぁ」と探索しなければいけません。その必要性がないというのは大きなアドバンテージです。

図の保存が簡単

図の保存ってかなり面倒です。読んでいた紙の本に保存しておきたい図が掲載されていた場合、そのページをちぎってストックするか、ちぎるのに抵抗があれば、コピーして切り抜いてストックする方法があります。

今はスマホのカメラ機能が向上し、アプリも色々あるので該当ページの写真をとってトリミングすれば保存できるようになりましたが、それでも面倒です。ページを開いたまま取るというのは至難の業で、ページ数が分厚い本ほど難しいです。

電子書籍であれば読みながらスクリーンショット(画面を保存)をすれば写真としてデータ保存できるので1秒で図の保存ができます。

読みながら寝てしまってもOK

電子書籍は画面を閉じたり、アプリを終了すると、自動的にどこまで読んだかを記憶してくれているので、本を読んでいたらいつの間にか寝てしまっていたって時も大丈夫です。紙の本だとしおりを挟んでいないとどこまで読んだかわからなくなります。

暗くても、雨でもOK

ディスプレー(透過光)は理解力が低くなるというデメリットも指摘されていますが(電子書籍はなぜ頭に残らないのか?の項参照)電子書籍はライトがなくても読めます。暗い夜道での暇つぶしに読めます。

雨の時の本の持ち出しはかなり敏感になります。雨に濡れて本がふやけてしまわないかとビクビクもんです。電子書籍であればその心配はいりません。スマホやタブレットで読むので、雨で端末が壊れない限り読めます。仮に端末が壊れても、本のデータはクラウドに保存されているので、端末を買いなおせば、また読めます。

電子書籍を「置く」

保存には適すが実感がない

電子書籍は紙媒体の本ではないので、家の中に書棚を置いたり、専用の部屋を作る必要がありません。本の経年劣化の心配もなく、常に新品の状態で本を読むことができます。反面、本を持っているという実感に乏しいので、収集癖を満たすことはできません。

密かに読める

~を知れば出世ができる!とか、できるやつはやっている~の法則!というような、タイトルが恥ずかしい本を読んでいる場合、電子書籍ではばれることはまずありません。周りからすれば端末をいじっていることしかわからないし、本のタイトルが書かれてある表表紙や背表紙は見れない状態だからです。

電子書籍を「売る」

「買う」「読む」「置く」では電子書籍の方が紙媒体の本よりやや優れていると思いますが、「売る」ことについては紙本に完全に負けます。

買ったものでも売れない

電子書籍は売れません。オークションなどでも出品不可です。売れるのは自分で本を裁断し、電子データ化した後、いらなくなった裁断済みの本です。

自炊代行は違法

本を裁断し電子データ化することを「自炊」と言います。この自炊を代行する業者が問題視され、裁判で違法かどうか争っていました。

「自炊代行は違法である」という判決が確定しました(2016年3月17日)。

本や雑誌をスキャナーで読み取って電子データ化する「自炊」の代行業が著作権侵害に当たるかどうかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は17日までに、業者側の上告を受理しない決定をした。16日付。複製を差し止め、業者側に70万円の賠償を命じた2審・知財高裁判決が確定した。

自炊代行:業者上告受理せず 知財高裁の賠償判決が確定 – 毎日新聞

購入した電子書籍データを個人がオークションやその他の手段で売るのは違法、自炊を代行してもらうのも違法、自分で自炊をするのはOK、自炊後の裁断本を売るのもOK

DRMという鎖

電子書籍は購入したアプリやサイトでなければ、そのデータを閲覧できないようになっています。裸のデータをもらえるわけではありません。

お金を出して買っているのは電子書籍を「読む」権利であって、扱う権利ではないんです。

DRMとは、デジタルデータとして表現されたコンテンツの著作権を保護し、その利用や複製を制御・制限する技術の総称。

DRMとは|デジタル著作権管理|Digital Rights Management – 意味/定義 : IT用語辞典

DRMも幾つか種類があり、KindleDRM、AdobeDRMなどがあります。

DRMの解除=違法ではありませんが、電子書籍のDRMを解除するということは、コピー制御の解除になるので違法になると思われます。

何が違法で何がセーフか以下のサイトでわかりやすい説明があります。

参考DRMを解除する方法まとめ【デジタル著作権管理】

 ヤマダイーブック炎上事件

2014年に起きた事件。

ヤマダ電機が5月末、スマートフォン(スマホ)向け電子書籍サイト「ヤマダイーブック」の現サービスを7月31日に終了し、8月から新サービスを始めると発表した。だが、今まで購入した電子書籍は読めなくなり、移行措置もとらない――そんな内容にユーザーが強く反発、ネット上などで批判が燃え上がった。

ヤマダイーブック「炎上」 電子書籍事業への教訓 (三淵啓自) :日本経済新聞

この事件は、その後、新サービス移行後も既に購入した電子書籍を読めるよう調整することで落ち着きました。

もし、利用者が反発しなければどうなっていたのか、炎上するほど利用者がいない電子書籍書店であればどうなっていたのか、電子書籍書店が閉鎖した場合、ユーザーには何も補償がないという恐怖を感じた事件。

まとめ

電子書籍は普及率は横ばいだけど市場規模は年々増加中。

電子書籍の値段は中古本より安い時がある。

値段設定はAmazonの自由(KDPは例外?)。

いつでもどこでも簡単に読めるのが最大の長所。

雨だって、暗がりだって関係ない。

書き込み、検索、図の保存も楽ちん。

ムフフな本も誰にもバレずに見れる。

でも、理解は浅くなることが研究結果で判明している。

電子書籍は「売る」ということに関しては問題だらけ。

購入した電子書籍は売れない、自炊代行も違法。

DRMというコピーガードがかけられているから、指定のアプリやサイトから以外は読めない。

電子書籍書店の閉鎖によるデータ消失の恐怖は常にある。

以上、電子書籍の長所と短所を理解した上で、電子書籍おもしろそうやん!と思ってくれる人が増えたら良いなと思っています。デジタル派、アナログ派ではなく、デジアナ派から始めませんか?(なんだこのネーミングセンスのなさorz)


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泣いて喜びます。

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