匿名劇壇の舞台「レモンキャンディ」の感想

レモンキャンディの感想
匿名劇壇のレモンキャンディ

この記事は2017年5月19日に更新しました。
情報が古くなっている可能性があるのでご注意ください。

この記事の読了時間は約6分です。

匿名劇壇という劇団の第九回本公演 「レモンキャンディ」を見に行ってきます!

僕にとって芝居を見にいくのは2回目で、ONEOR8の「世界は嘘でできている」を超える位の出来を期待しています。

大阪と東京で開催されます。

「レモンキャンディ」公演初日の5月18日(大阪)のチケットをとりました。

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「レモンキャンディ」のあらすじ

ここは落下する飛行船。
上空1000000000km(10億km)で、ついに故障した飛行船。
地面に到着するまでが、あと七日間の飛行船。
四人の女と四人の男。
何をして過ごそうか。

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推理小説だとここから殺人事件が起こりそうな設定ですw

1シチュエーションなので物語を展開させるのがとても難しそうです。

「死」が確定した8人の立ち振る舞いや関係性がどう絡み合ってくるかが見もの。

「レモンキャンディ」の評価

  • CoRich舞台芸術まつり!2017春 最終選考作品(102作品の中から選ばれた10作品)
  • 應典院舞台芸術大祭space×drama〇 参加公演

大賞を受賞するかは本公演で判断されるそうです。

匿名劇壇とは

2013年 space×drama優秀劇団選出。

2016年 福谷圭祐の戯曲『悪い癖』が第23回OMS戯曲賞にて大賞受賞。

劇団員のみで芝居をするのが特徴で、いくつか劇の賞も受賞している本格派。

「作風はコメディでもコントでもなく、ジョーク。」

「演劇」そのものを演劇でもって自己言及的に描くメタフィクションを得意とする。

49hack
ちょっと何言っているかわかんないっすww

シアトリカル應典院

大阪の会場はシアトリカル應典院(しあとりかるおうてんいん)。

浄土宗系の寺のホール。

寺に併設されているホールが会場になることが小劇団では多いのかな。

日本橋で降りてブラッと歩きながら行くのが良さげ。

〒543-0076 大阪府大阪市天王寺区下寺町1-1-27

TEL 06-6771-7641

レモンキャンディの感想

5月18日の初日公演を見た後に、感想を追記して記事を更新します!

シアトリカル應典院の待合室

劇場は2階、1階が受け付け。

仏教関連の面白そうな書籍がずらりとあって、早めに到着しても時間がつぶせます。

演劇のチラシも多くて見てるだけで楽しめました。

演劇のチラシが多い!

誘導がダメダメ

「当日発券の方は右の列」と言っていたので、購入者から見て右の列にいくも買えず・・・

何を基準に「右」と言っているのかがわかりにくい。

列も「こちらで1列で」とかいう声が全くないので、ぐちゃぐちゃになって、譲り合いながら前に進む感じでした。

開場時間になって誘導を始めるも、まずは事前購入者から入場というのを忘れていて慌てて誘導し直していたし、ちょっとミスが多い気がしました。

シアトリカル應典院のキャパが100人位だったのでなんとかさばけてましたが、怒る人がいてもおかしくないと思います。

レモンキャンディの舞台装置

暗がりに青が映えたお洒落な舞台。

しかも舞台が斜め右に傾いていると言う斬新さ。

BGMは円ひろし「夢想花」やCrystal Kay「Shooting Star」など「落ちる」や「落下」をテーマにした曲が新旧関係なく流れていました。

ピークは開演までのカウントダウン

開演前のアナウンスが流れ、暗がりからカウントダウンが始まり、0で悲鳴とともに物語が始まります。ディズニーランドやUSJのようなアトラクションのような楽しさがありました。

ただ、実際に話が進むと、これを超えるような盛り上がりはなかったです。

話のジャンルがヒューマンではなく、サスペンスよりの話なのでしょうがなかった気もしますが、90分の中でピークが最初のカウントダウンというのはちょっと残念でした。

8人が主人公

登場人物は男女4人。

  1. 体を売る女
  2. アイドル
  3. 大学院卒業のパニック女
  4. 過去にトラウマを持つ宗教女

  1. ホスト
  2. スタントマン
  3. アイドルオタク
  4. 現実と妄想の区別がつかない男(統合失調様障害?)

それぞれキャラ立ちがしっかりしていて混同することなく話がすっと入ってきます。

メインとなる主人公がおらず、8人が平等に話す感じでした。

パニック状況のドタバタ劇を表現しながら、死について考えさせるという内容でした

確実に死ぬ状況は特異な状況ではない

「どうせ死ぬんだから『殺す(死ぬ)』ことは罰にならないだろ」

「意味ない論はやめようよ」

8人は「確実に死ぬ」という特異な状況で生きる様(さま)を見せてくれるんですが、やがてそれは現実世界で生きることと同じ状況だということを暗に示していました。

死ぬことが確実なら何をやっても意味ないじゃん!

掃除することに意味ある?

ご飯食べることに意味ある?

髪にワックスをつけることに意味ある?

筋トレすることに意味ある?

子供を作ることに意味ある?

という疑問をぶつけてきます。

死ぬことが確実なのは飛行船が落下している8人もその芝居を見ている客も同じな訳で、彼ららが発する言葉は劇を見ている客の心にもぶすりぶすりと刺さってきました。

「落ちてようが落ちてまいが同じだよ」

と劇中で雨水が喋っていました。

場面転換が面白い

レモンキャンディの場面転換は、クラブ系音楽が流れ演者がストップ&ムーブを繰り返して舞台をはけながら小道具を片付けていました。

須藤元気のパフォーマンスのようで面白かったです。

雨水雨役の松原由希子さんが可愛い

今回の物語では8人の中で一番大事な役?だった松原由希子さん。

参考  リコモーション|RICOMOTION Inc.|所属アーティスト|松原由希子

レモンキャンディではがっつりメイクでしたが、ナチュラルメイクも可愛いですね。

清純派から妖艶な役までなんでもこなせそうです。

セリフ量が多い

セリフ量が多く、微妙な言い回しの違いで本質に迫る核心をつくのが匿名劇壇の特徴に感じましたが、聞いていると言い回しの違いをすぐに理解するは難しいです。

同じような会話パターンがよく出てくるし、同じセリフを連続して何度も反芻したりすることも多いので、見ていてちょっとしんどくなりました。くどいし、耳障り。

本当に伝えたい大事なところだけ間をとったり、同じようなパターンを減らしたりしてもいいんじゃないかなと思いました。ど素人なりに。

悪い癖(再演)

匿名劇壇は2017年10月26日〜29日にAI・HALLで「悪い癖」を再演します。

レモンキャンディではいまいち良さがわからなかったので、都合がつけば再演される「悪い癖」も見に行って、自分と合う劇団なのかどうかを判断しようと思います。


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泣いて喜びます。

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