劇団かもめんたる「君とならどんな夕暮れも怖くない」の予習と感想

君とならどんな夕暮れも怖くない

この記事の読了時間は約8分です。

劇団かもめんたるの第9回公演「君とならどんな夕暮れも怖くない」(2020)

見に行く前の予習と感想。

コロナ禍で開催される芝居なので、演出方法などにも工夫があるのかが気になります。

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かもめんたるの演劇ポテンシャル

かもめんたるといえば

2013年(第6回大会)のキングオブコントで優勝したことがある実力コント師

2017年に見たお笑い単独ライブ「ノーアラームの眠り」が面白くてファンになりました。

参考 かもめんたる単独ライブ「ノーアラームの眠り」の感想と考察

かもめんたるはお笑いだけでなく演劇の世界でも才能を発揮しています。

第64回岸田國士戯曲賞の最終候補8作品に岩崎う大の上映台本『GOOD PETS FOR THE GOD』が残るなど、演劇の世界でも評価されています。

参考 第64回岸田國士戯曲賞最終候補作品決定 – 白水社

君とならどんな夕暮れも怖くない

あらすじ

ウサギは寂しいと死ぬといいます。カメは水がないと死ぬといいます。そこに 「水がないと私も死ぬよ」とウサギが話に入ってきました。ウサギとカメはその後、二、三言葉を交わして真っ赤な夕暮れの丘へ消えていきました。その後、二人が 紡いだ物語は「ウサギとカメ」とか「君とならどんな夕暮れも怖くない」とか沢山あるけど、ウサギとカメが今も一緒にいるかは誰も知らないんです。

君とならどんな夕暮れも怖くない | CoRich舞台芸術

寓話的な深みのある話しは解釈の幅が広く、面白いことが多いので期待大です。

日時・場所・料金

日時:2020 年 7 月 21 日(火)~26 日(日)

場所:下北 駅前劇場

前売:¥5,000(税込)
当日:¥5,500(税込)
全席指定

コロナ禍でソーシャルディスタンスをとる必要があるからか、チケットの値段は高め。

参考 劇団かもめんたる公式ホームページ

出演

かもめんたる[岩崎う大・槙尾ユウスケ]
小椋大輔
もりももこ
船越真美子
土屋翔(以上、劇団かもめんたる)
長田奈麻(ナイロン 100℃/劇団かもめんたる)
佐藤真弓(猫のホテル)
梅舟惟永(ろりえ)
宮下雄也

「君とならどんな夕暮れも怖くない」の様子

劇場の様子

劇場前はポスターのみの掲示でシンプルでした。

見栄えするスポットなしw

劇団かもめんたる 君とならどんな夕暮れも怖くない

会場には花束を飾っていることが多いですが、コロナの影響か花束は1つもなし。

代わりにお祝いののし紙が綺麗に並べられていました。

劇団かもめんたる 君とならどんな夕暮れも怖くない

49hack
マギー・・・

コロナ対策

これでダメならしょうがないという位コロナ対策は頑張っていました。

  1. 会場入場時に非接触型の検温
  2. チケット受付は飛沫防止シート
  3. チケットもぎりは自分で行う
  4. 観客席の間隔は広め(ソーシャルディスタンス?)
  5. 窓を二つ開け常時換気→冷房が強め
  6. 前列2列はフェイスシールド着用
  7. 観客はマスク必須
  8. 開演前の私語は控えるようアナウンスあり
  9. 氏名、住所、電話番号を記入し提出(コロナ感染があった場合保健所に提出する)
  10. アンケートがQRコードでネットアンケート
  11. 他劇団の広告プリントなし

客入り・客層

1回の上演で約60人前後が入るキャパでしたが、会場はほぼ満員。

前列に一部空席あり、検温で入場できなかったのかな?

客層は30代〜50代が中心で男女比は半分半分でした。

「君とならどんな夕暮れも怖くない」の感想

人間とヒューマノイドの力関係の変化を軸に、

そこに生きる人間とヒューマノイドの心の交流、心の機微を描いた作品。

物語の主題がややわかりづらい気もしますが、物語が面白いので楽しく観劇できました。

演者はみんな声が聞き取りやすく演技もうまい。

笑えるセリフも随所にあって、劇団かもめんたるここにあり!って感じでした。

陽のキャラクターが多い中で、う大の陰のキャラクター(ビルコブ)が光っていました。

ビルコブの「陰」のおかげで芝居全体に幅が出ていたように思います。

落ち着いたトーンで喋っているのにセリフが聞き取りやすかったです。

設定の作り込みが丁寧

人間とヒューマノイドの力関係が逆転するっていうのはよくある設定ですが

この作品が面白いのは

  • ヒューマノイドに作られた試験管ベイビー(人間)がいる
  • モデルファミリーという両親がヒューマノイドで子供が人間という家族がある
  • 古いヒューマノイドと新しいヒューマノイドが入り乱れる時代である
  • さらに「引越し」という体のアップデートがヒューマノイドも人間も許されている

などの設定があり、そのおかげで物語がどんどん展開していきます。

お笑い単独ライブでも感じたことですが、

かもめんたるは設定を作る能力がずば抜けてすごい

テンポがいい

物語の展開がサクサク進むので、見ていてまどろっこしいなと思うことはありませんでした。

観客は登場人物の誰かに投影して見ることができる作りになっているので、

ストレスを感じずに楽しく見れました。

笑える短いセリフ

「ゲーム中に黄昏るな」

「3秒が永遠に感じたぞ」

「玄関で粘るな」

「誰だよこんなゲーム作ったやつ、家帰ったら捨てよ」

など短いセリフで笑えました。

シリアスな場面も笑えるようになっていて、かもめんたるらしい笑いのセンスを感じました。

AIに関するトピックが随所に

AIが話題となった各分野の要素が物語に盛り込まれていて

物語の話しはそう遠くない未来のこととして

リアリティーを持って感じることができました。

陣取り=将棋、囲碁

参考 将棋棋士 vs AIの戦いを振り返る〜名人が敗れるまで〜 || データ分析Navi

ED美空ひばり=AIでよみがえる美空ひばり

参考 AIでよみがえる美空ひばり | 新曲 あれから | NHK

サボテンの御用聞き=Googlehome、AmazonAlexa

疫病の流行で人間は仕事ができなくなり人間の数が減っていき滅亡の道を歩むという

コロナの影響があって追加したような設定もありました。

差別を取り締る意識が差別を生む

世界をよくするために差別を取り締まろうとすればするほど、

差別をしている人を差別してしまう感情が生まれるという矛盾。

それが物語の大きなテーマの1つだったような気がします。

序盤の「白ける」についてビルコブが言ったことがその答えになっている気がしました。

「白けているというのはそれまで白けてなかったということ。

その気付きが大事

白けたと思ったことも、実は白けていないってなるかもしれない。

白けていなかったーって思っても実は白けているのかも。

それが繰り返されていくことが大事なんじゃないか」

@49hackJpの脳内記憶のため細かい言い回しは違います)

差別かどうかよりも、差別になってしまっていると気づくことができるか。

それが大事だろうと。

気づければよくなれる。

ビルコブとジャモンは「お引越し」したのか

物語では歴史によって伝承内容が違うので、

「ビルコブとジャモンが『お引越し』したのかはわからない」という終わり方でした。

「君とならどんな夕暮れも怖くない」そう願ってビルコブがジャモンを購入し、

ジャモンもビルコブのその気持ちを知ったなら、

彼らがお引越しをしていようがしまいがどっちでもいいと思います。

あえて深読みをするなら、

ツアーに参加していた二人がビルコブとジャモンのお引越し先だったことも考えられます。

お引越し先と言っても祖先のような存在で、ツアー参加の二人には記憶すらないでしょうが。

カプセル型の排便など人間としての機能も残存していますし、

ジャモンの人間らしさが一周回って最先端のヒューマノイドに近いと認識されてましたしね。

そう考えた時、

ビルコブとジャモンの人間らしさは、

彼らの姿がなくなっても、

その時代に生きるヒューマノイド(人間)の中に

知らぬ間に引き継がれているのではないでしょうか。

「君とならどんな夕暮れも怖くない」

この言葉すら伝承されなくなったとしても、

その時を生きたビルコブとジャモンの魂はきっと引き継がれている

そんな気がしました。

過去の積み重ねが、歴史の重みが自分にも流れている。

少し誇らしい気持ちで劇場を後にしました。

劇団かもめんたるを今後も応援していきます!


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泣いて喜びます。

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