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本記事はドキュメンタルSeason2公開を受けて、http://49hack.jp/documental-matsumotohitoshi-kansou/から移行した記事です。内容に加筆・修正はありません。
ダウンタウン松本人志がプロデュースを務めた「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」が11月30日(水)よりAmazonプライムビデオにて配信されます。毎週水曜日に配信され全4話で完結。
テレビや映画、DVDといった一般的なメディアではなく、Youtubeやニコニコ動画、AbemaTVのような生放送サイトでもない、Amazonプライム会員しか見れないプライムビデオでの配信というのが既に面白い。
予告動画
無駄な要素をそぎ落とした実験的な作品
ネタを事前に考えることも大事だと思うんですけど、それが本当に“お笑い”なのか? と疑問に感じることもありました。地上波放送の場合は、みんなを楽しませるために“お笑い”以外の味付けも必要になってくるが、今回は素材だけの力で勝負してどれだけ面白くできるのか考えました
配信日時
第1回 2016年11月30日(水)
第2回 2016年12月07日(水)
第3回 2016年12月14日(水)
第4回 2016年12月21日(水)
閲覧が可能になる具体的な時間帯は不明。
第1回配信直前の11月29日20時でもAmazonプライムビデオには紹介ページがない。
配信日時の0時を過ぎればプライム会員であれば無料で見れるはずですが・・・
2016年11月30日追記:配信予定日の0時にサイトで番組が閲覧できるようになりました!
HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタルをAmazonビデオ-プライム・ビデオで
2016年11月30日追記:本日14時15分から完成披露会がライブ配信されます!
「ドキュメンタル」のルール
事前に判明していた5つのルール
- 参加者は1人100万円の参加費を用意する。
- 時間制限は6時間。
- 同じ部屋に集まった参加者同士があの手この手で笑わせ合う
- 笑ってしまい、レッドカードが出たら即退場
- 最後まで残った1名は賞金1000万円がもらえる
5月のニュースではにらめっこを題材にした動画作品という噂でしたが内容もガラリと変わって面白そうな内容になっています。
2016年12月22日更新:隠されていたルール
事前に公開されていなかったルールが動画内で紹介されていました。最終回の第4回で初めて明らかになったルールも。
小道具の持ち込みは自由
密室空間ですが道具の持ち込みOK
松本人志からの指示が電話で届くことがある
10人に任せてストーリーが進むので、電話する時があるのかは疑問。
中断ブザーから競技再開までは笑ってもOK
笑ったら即退場ではなくて、中断→カード提示→再開という流れですすみます。
笑顔も「笑った」と判定される
にこやかな雰囲気で時間が経過することを良しとしません。
部屋には風呂・トイレ・シャワー・台所あり
6時間という長丁場なので一通りの生活空間は用意されています。
他のプレーヤーの目の届かないところでのネタの仕込みが可能です。
後半戦はルールが厳格化
参加者の過半数が過半数を切ると笑ったとされる基準が急に厳しくなります。
6時間で一人にならないと該当者なし
てっきり延長戦になるかと思いきや、6時間で終了。賞金の山分けなし。参加費の100万円が返済されるのかどうかは不明。
ドキュメンタルの特徴
ソリッドシチュエーションコメディー
ルールだけ見ると「笑ってはいけない」の密室バージョンな気がします。
映画SAWのような密室サスペンスをソリッドシチュエーションスリラーと呼びますけど、「ドキュメンタル」も密室を舞台とするのでソリッドシチュエーションコメディーという新ジャンルになるんでしょうか。
雰囲気はライアーゲーム
BGMは中田ヤスタカのパクリ?
予告動画に流れているBGMはほぼライアーゲームのパクリですよねww
ガキの使いの浜田ぱみゅぱみゅ企画で作曲家の中田ヤスタカと知り合いになっているはずなので許可はもらってるんでしょう、おそらく。
控え室の様子が瓜二つ
部屋の様子はあらゆるカメラで撮影し、それを松本が見るという仕組みになっています。
その様子がまるっきり漫画「ライアーゲーム」やないかーい!
ライアーゲーム事務局の黒幕ってもしかしてまっちゃんなのかw
参加芸人
参加する10人の芸人を優勝する確率が高いと思う順に並べてみました。
笑わない守備力と笑わせる攻撃力の総合値が勝負を左右しそうです。
- 天竺鼠・川原
- 宮川大輔
- 野性爆弾くっきー
- ジミー大西
- 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎
- とろサーモン久保田
- マテンロウ・アントニー
- ダイノジ大地
- トレンディエンジェル斎藤
- FUJIWARA藤本
藤本より原西を入れるべきだと個人的には思いますが・・・
松本人志の企画力
働くおっさん劇場、大日本人など常に「笑い」とは何かを深める態度には敬服します。
サイレント図書館に着想を得た「笑ってはいけない」シリーズや、すべらない話、ipponグランプリなどを生み出す「企画力」もすごいです。
お笑い界の二刀流
プロ野球選手の大谷の投手と野手の二刀流が話題になりますけど、松本人志の「ボケ」と「企画力」の二刀流もすごいと思います。
面白いことを言って終わりでなく、笑いの魅せ方を探求することで、笑いの奥深さを考えさせ、お笑い芸人の地位向上にどれだけ貢献しているか。
明石家さんまに企画力はない
明石家さんまがラジオで「『すべらない話』っていうのは芸人にとっては当たり前やんか、当たり前のことをされてもなぁ・・・」みたいなことを言ってました。
超一流と言われるお笑い芸人ですら企画力はこのレベルです。
暗黙のルールを、言語化することで自明のものとし、それが1つのパッケージとして世の中に浸透していくということがさんまにはわからないんです。
このへんのセンスはゲーマー松本人志の側面が大きいような気がします。
エピソード1の感想
配信終了後に感想を追記する予定です。
12月4日のM-1グランプリ(2016)、大晦日の「笑ってはいけない」シリーズを凌ぐお笑いの一大イベントになりそうでワクワクしています。歴史的瞬間はもうすぐ!
第1回配信
2016年11月30日(水)以降に感想記事追加
煽りの尺が長い
番組冒頭では、松本のインタビューを存分に織り交ぜながら、ドキュメンタルの企画意義と招待状を受け取った芸人の反応が紹介されます。
煽りVTRに尺を長くとれるのはAmazonビデオならではだなと思いました。動画の画質も1080pと高画質で15インチのパソコンで綺麗に見れました。ちょっとセットが安っぽい気がしたけど企画上問題なし。
「相当客は選ぶ」
年寄り・女・子供に媚びない笑いを追求した実験作品であることが語られていました。
「テレビでは間違いなく視聴率取れないでしょうね。本当に一生懸命見てもらわないと、この面白さってなかなか伝わらないし、相当客は選ぶというか、お年寄りとか女・子どもが見てそこまでどうなんだろうって部分はありますね。本当に好きな人は、のめり込むように見てくれるんじゃないかなって、そういう意味ではこのぐらいのターゲットを絞り込む感じで、ねぇ、Amazonってそんな簡単に見れないでしょ?じじいがなかなかできないでしょ、会員になったり、ややこしいでしょ?じじいには無理ですもんね。小学校低学年でも多分無理なんで。」
ドキュメンタル第一回配信(2016)松本人志
参加芸人に対する松本人志の芸人評
松本人志の芸人評が聴けるのが良かったです。
- 宮川大輔は根明で人が好き。
- 大地は一人でなんかさせるとおもんない、エアギター世界一なんかおもろいやつがチャンピオンなれるわけない。
- 久保田は怖さがある、サイコパス
- 藤本はツッコミボケ。ツッコミで全ての間を埋める
- 川島は化け物、よりサイコパス
- 斎藤は一番バランスがいいが、ハゲごときでこの9人は笑わない。
- 川原は笑わない、板尾創路の系譜
- ハチミツ二郎は地肩がある、能力が高い、藤本とはまた違うツッコミボケ。
- アントニーは毛色変わってるけど、あの程度の毛色で9人は笑わない。
- ジミー大西は化け物
詳しい評価は番組で確認してみてください。
東京ダイナマイトはM-1の敗者復活枠で決勝に来たら優勝するかもしれないと僕は予想しているので、まっちゃんもハチミツ二郎の能力を高く評価していると知れて安心しました。
ドキュメンタル第1回配信の良さはやっぱり松本人志の芸人評がきけるところ。東京ダイナマイトのハチミツ二郎の評価が高くて、「やっぱまっちゃんわかってんな」と内心でほくそ笑んでしまった。#東京ダイナマイト #松本人志 #ドキュメンタル
— どん底おっさんブロガー (@49hackJp) November 29, 2016
笑わないやつは強い
笑わないと言われていたハチミツ二郎と天竺鼠の川原の2人が、ゲームが始まった途端、仕掛けて開始18秒でジミー大西が失格になりそうでしたww
ジミー大西をターゲットにしたのも一番強敵だからこそ、真っ先に潰しに行ったという策略も見えて流石だなと思いました。
このゲーム、攻撃力よりも守備力が強いことが重要な気がします。守備力が低いと自分の攻撃で笑ってしまうし、不意打ちでも笑ってしまいます。普段の愛想の良さがこのゲームではあだとなってしまう感じがしました。
第2話配信
2016年12月07日(水)以降に感想記事追加。ネタバレあり。
0時に公開ではなかった。
第2話目が12月7日に公開されました!
第1話は0時ちょうどに公開されましたが、第2話は朝の4時頃になっても公開されませんでした。朝の10時に公開を確認し視聴しました。
ドキュメンタルは賭博罪?
一部でドキュメンタルが賭博罪に当たるのではないか?などの不穏な噂があったので「まさか公開中止?」と思いましたが無事に公開されました。
【賭博罪疑惑】松本人志の「ドキュメンタル」はやらせではないとの公式見解 / 追記アリ – 未分類なブログ
弁護士など専門的な人に聞かないと賭博罪に該当するのかどうかはよくわかりませんが、ゲームや漫画のような設定をドキュメント作品として創作するのは面白いので、なんとか続けて欲しいと思います。
お金がダメなら100万円相当と松本人志が判断する公開されたら困る物などに変更してもいい気がします。あるいは創作したとっておきのネタを譲るとか。
僕個人が推測する「ドキュメンタルのカラクリ」は、参加費として100万円徴収するけど、実際はギャランティーとして105万円払っている気がします。
じゃないと-100万円か1000万円かでは参加者は誰も出てこないし、仮に参加したとしても絶対に笑えません。ダイノジの大地なんか終始ニヤけまくって退場させられてもゲラゲラ笑ってました。とても100万円損した人間の振る舞いには感じられません。
2人の退場者
ジミー大西とダイノジの大地が退場。
爆発的な笑いがあったわけではなく、ゲラの二人が退場しただけというしょうもない結果に。
オレンジカード
イエローカードとレッドカードだけだと思ってたら、オレンジカードとかいう訳のわからないシステムがいきなり出てきた。ルールは最初に全て公開してくれないと見る方としては楽しめない。
中断が多すぎて間が悪い
イエローカード→オレンジカード→レッドカードで退場。
イエローカードでも中断、オレンジカードでも中断して、いちいちストップするから間が悪い。カードは2種類でいいでしょ3種類もいらない。なんなら1種類にして「退場!」の時だけでいい、それまでの累積笑いを退場時に見るという形でいい気がする。
第3回配信
2016年12月14日(水)以降に感想記事追加。
宮川大輔の楽屋ゲームで場の緊張感が決壊し、次々と出る失格者。野性爆弾川島の小道具も爆発。あとは下ネタのオンパレートw
地上波では放送できないAmazonビデオを感じさせる動画の民度の低さに少し引きました。
第4回配信
2016年12月21日(水)以降に感想記事追加
粘るフジモン
フジモンがかなり粘っていました。ゲラという印象だったのですぐに失格になるかと思いきや最後の4人に残るとは。
アントニーの過去が場を支配する
アントニーの父親と幼少期の写真、世界ランク4位のプロボクサーだった父親、死因は痛風、日本人母の再婚者は日本人(寿司屋)とか普通に聞いてると笑ってしまう。黒い背景に同化してしまうとかありえなさすぎて面白い。
久保田のツッコミ
アントニーの写真や腕に蛾が止まった時のツッコミ力がすごかった。前半からこの調子で頑張っていればまた違った展開になった気がする。
ドキュメンタルが改善すべき点
エピソード1では多くの改善すべきところがあったのでまとめました。
すべてのルールを最初に視聴者に明らかにせよ
一番ダメだと思ったのがルールの後出し。制作者はあらかじめルールを決めて撮影していたと思いますが、視聴者に全てのルールを明らかにしたのは最終回の第4回。これはひどい。
小道具の持ち込みは自由、イエローカード、オレンジカード、レッドカードで退場になること、延長戦はない、後半はルールが厳格化位は最低はっきり示しとかないとダメでしょ。
中断の回数を減らせ
イエローカード提示でVTR確認とかいりません。このせいで化学反応が起きそうな場がストップしちゃうし、見てる方も「間が悪いなぁ」と感じてしまいます。
VTRの振り返りは制作者が差し込めばいいし、累積何枚目とか裏でカウントしといて退場が確定した場合のみ中断させればいいと思います。
勝者を作れ
延長戦がないまま該当者はいませんでしたーは見ていて気持ちが悪い。「これがドキュメント」とか言う松本もさぶい。あらかじめ想定してルールを作っとけよ。参加者から巻き上げた金はどうすんねん。残ったやつには参加費の100万を返したかどうかの説明もないし、失格者から奪った分をどうしたのかの説明もなし。巻き上げるだけ巻き上げるなら本物の賭博罪になりそうww
延長戦をする
勝者を作るには、単純に延長戦をするというのが良さそうですが6時間経っても笑わない者同士が延長戦をして笑うとは思いません。時間が終わりになればなるほど緊張感、本気度が増してくるのでますます笑いにくくなります。
失格にしても退場させない
笑いにくくなる要素の1つは人数が減ることです。人数が減ると、ボケの手数やフリが少なくなり、幅も狭くなってしまいます。
それを解消するためにレッドカードで失格した者を退場させずに場に残らせたらいいと思います。人数が減らないため笑いの化学反応が起きやすくなるし、失格者はもう笑ってもいいので相手を笑わせる攻撃のみに専念できます。後半になればなるほど笑わせるためのボケの手数が増えることになるので、今回のエピソード1のように後半が盛り下がって該当者なしという結果には絶対にならないと思います。
一人にならなくてもOKな次の舞台を用意する
「一人にする」というのは優勝した!ということを決めたいがために必要になってくることなので、一人にする必要性をなくしてしまいましょう。
その解決策が、各エピソードを予選扱いにして6時間耐えた者には次のステージへの参加チケットを配布するなどすればいいと思います。まさにライアーゲームもどき。
ルールを厳格化するタイミングで場を変えろ
後半戦になると「ルールが厳格化」され少しでもニヤつくと笑ったことになってしまいます。個人的には途中から笑ったかどうかの基準を変えるのは納得できませんが、笑わない者が残った以上、勝者を決めるためにルールを厳格化しないといけないのは必然かと思います。
問題は基準が変わったのに場が変わっていないことです。ルールが厳格化するタイミングで場を変えた方が視聴者にわかりやすくなります。決勝っぽさも出ますし。
特殊なカードを導入せよ
基本的には参加者の力と小道具、仕込みで相手を笑わせるのがドキュメンタルですが、参加者だけでは場が膠着してしまうことが多々ありました。
自分だけは10分間笑ってもいいカード、後輩芸人を1組5分間呼べるカードなど特殊なカードシステムを導入して風通しを良くするルールもあってもいいんじゃないかなと思いました。
チェアマンの松本が場にずーっといて笑いを醸成するというのもありだと思います。
改善点が多くあったエピソード1ですがエピソード2は2017年に製作予定ということで楽しみに待ちます!
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泣いて喜びます。
<a href="http://49hack.jp/documental-season1-review/">松本人志プロデュース「ドキュメンタルSeaon1」の感想・改善点</a>