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奨学金の借り入れ総額が360万円(奨学金第二種)。
奨学金の返済が2015年10月から始まって1年が経過、残りの約340万円分を繰り上げ返済で一気に返すことにした。
完済した時点で支払った利息の総額と、繰り上げ返済をしなかった場合に支払う利息の総額を計算してみた。
目次(クリックでワープ)
奨学金の借り入れ情報
学部時代と大学院時代の奨学金の情報について
借りた奨学金の総額と年利率
自分の奨学金情報は以下の通り
1)学部時代の4年間で240万円(年利率0.8125%)
2)大学院時代の2年間で120万円(年利率1.5%、利率固定方式)
大学院時代の休学期間、卒業してからのニート期間、フリーター期間は病気、貧困等を理由に支払いを猶予してもらってました。
返還期限猶予中は利子はつかない
支払い猶予期間中は借入額に対して利子はつきません。
Q.猶予中も延滞金はつきますか。
A.返還期限猶予が承認された期間中の延滞金は、賦課されません。
猶予を受け付ける事務が適当すぎて、猶予OKの通知を出しているのに引き落とそうとするなど危なっかしい所もあったので、引き落とし日には念のため、指定口座から全額を抜いておくなどした方がいいです。
奨学金の毎月支払額
正社員として特別養護老人ホームで働くようになってから、やっと奨学金を支払えるようになったという流れ。
1)の奨学金の返済額が毎月14219円
2)の奨学金の返済額が毎月9172円
14219+9172=23391円を毎月支払っていました。
返済開始後1年で繰り上げ返済で完済した場合の利息
2015年10月~2016年8月までに支払った金額は
23391×11=257301円
スカラネットで繰り上げ返済の手続きをする
- スカラネットでIDを登録し、繰り上げ返済の手続きをすませる。手続きは全てパソコン上から申請ができる。奨学生番号ごとに金額と回数のどちらかでの繰り上げ返済が可能。
- 繰り上げ返済の場合も通常と同じ当月の27日に引き落とされる。
- コンピュータ受付だとヒューマンエラーは発生しないので安心。電話受付だと、繰り上げ返済の計算を間違えたり、繰り上げ返済をしたのにしてないという面倒な事になりそう。
残りの奨学金を全て繰り上げ返済で返すには…
1)14219(9月分)+2248940(残り元金)+8931(措置期間利息)=227万2090
2)9172(9月分)+1108031(残り元金)+8099(措置期間利息)=112万5302
2272090+1125302=3397392
9月27日に口座から339万7392円が引き落としされれば奨学金が完済。
繰り上げ返済ができない人
繰り上げ返済の手続きをしても、前月の引きおとしがうまくできなかった場合は申し込みは取り消される。
繰上返還振替(引落)日に際し、前月の振替状況を確認の結果、前月の振替が残高不足等により振替不能と判明した場合には繰上返還申込は取消されます。
完済までに支払った金額は
2015年10月~2016年8月に払った257301円と9月にまとめて払う3397392円の合計
257301+3397392=3654693円
元は240万+120万=360万円借りていたので、利子分として54693円支払ったことになる。
つまり、奨学金を360万円借りてて、返済が始まって1年経過した頃に繰り上げ返済で完済しても約55000円は利子分として支払わないといけない(利率や借り入れ額によって金額は変わる)
据置期間の利息とは
措置期間の利息とは3月に学校を卒業してから10月27日から返済が始まるまでの期間にかかった利息分のこと。
繰り上げ返済をしても措置期間の利息は減額されない
据置期間の利息は返済が始まった10月27日以降に繰り上げ返済をしても減額にはなりません。返すことが確定している利息です。
措置期間の利息の計算
据置期間の利息は、4月1日から9月27日まで単利日割り計算で求められます。
借りた金額×年率×180日÷365日
実例
僕の場合は240万円(年利率0.8125%)と120万円(年利率1.5%)の2つ。
<240万円(年利率0.8125%)の場合>返済回数は180回(15年)
240万×0.8125%×(30日+31日+30日+31日+31日+27日)÷365日 =9616.4383…
9616.43円÷12ヶ月÷15年 =53円(あまり76.43)
あまり分は返済の最終回に加算
<120万円(年利率1.5%)の場合>返済回数は144回(12年)
120万×1.5%×(30日+31日+30日+31日+31日+27日)÷365日 =8876.712328…
8876.71円÷12ヶ月÷12年 = 61円(あまり92.71円)
あまり分は返済の最終回に加算される。
繰り上げ返済をせずに返した場合の利息
奨学金の支払額は定額
奨学金の月々の支払い額は完済するまで定額です。
借入額によって返済回数が決まっているので、借りた元金+完済までにかかる利子総額+措置期間の利子を考慮して月々の支払額を算出しているからです。
最終の支払いには、定額払いで支払総額が超過しないように調整され、措置期間の利子計算で出たあまり分が加算されますが、それを除けば支払う額は定額になります。月賦最終回返還額はスカラネットで確認できます。
つまり毎月支払っている金額には既に利子分が計上されていて、完済まで時間がかかるほど、毎月の支払いは終わらないので利子分がかかり、損することになります。繰り上げ返済は完済する期間を短縮することで「完済までにかかる利子総額」を減額させる方法です。
奨学金は支払う金額は一定だが、利子分は変動している。
月々の支払額は一定ですが、支払額に占める利子分は毎月微妙に変動していて、最初の頃ほど利子の支払い額が多く、終わりの方になると利子の支払い額が少なくなるようになっています。
最初は利息分から返済していくため、22,000円の内訳は「利息が約3,000円+元金19,000円」なので、元金はなかなか減らない。返済が進めば徐々に利息分の金額が小さくなり、元金部分が減っていく。
僕の場合でも毎月23391円の支払いのうち約3000円(約1500円+約1400円)を利息分として支払っていました。
つまり、繰り上げ返済で完済すれば、しなかった場合に発生する毎月の3000円分の利子を払わなくてよくなり、その分得するということになります。逆に言えば、繰り上げ返済による完済が1ヶ月遅れれば約3000円損をします。
では、繰り上げ返済をせずに通常の期間(回数)で完済した場合いくらになるのでしょうか。
通常完済の総額
240万円(年利率0.8125%)の場合、返済回数は180回(15年)で毎月14219円の返済。
スカラネットで確認すると、月賦最終回返還額は14318円
14129円×180=2559420円
それに+99円(14318-14219)すると完済までに支払う額は255万9519円
利子は2559519-2400000=15万9519円
120万円(年利率1.5%)の場合、返済回数は144回(12年)で毎月9172円の返済。
スカラネットで確認すると、月賦最終回返還額は9138円
9172円×144=1320768円
それに-34円(9138-9172)すると完済までに支払う額は132万0734円
利子は1320734-1200000=12万0734円
2559519+1320734=3880253円
繰り上げ返済をせずに完済する場合はトータルで388万0253円かかります。
元は360万円なので、利子総額は28万253円になります。
自分の完済額をざっくり知りたい人は
奨学金のホームページに返済回数について書かれてますが、書いてることがわかりにくすぎるので、「(借入額) 返済回数 奨学金」などと検索すると返済回数がわかるので、毎月振り込んでいる額×回数で支払総額の概算を知ることができます。
自分のケースで完済額を厳密に知りたい人は
詳細シミュレーションと簡易シミュレーションがあります。
奨学金の繰り上げ返済要点まとめ
- 返済期限猶予中は利子はつかない。
- 「措置期間の利息」は繰り上げ返済しても減額されない。
- 繰り上げ返済をせずに完済する場合、利率や借り入れ総額などによるが、僕の場合360万借りていたら利子は約28万になる。
- 返済開始後1年で繰り上げ返済で完済すると、利率や借り入れ総額などによるが、僕の場合360万借りていたら利子は約5万5000円で済む。
最も損をしない奨学金の返済方法について
奨学金第二種(有利子)を借りて、減額返済などを申請せずに全額返済をする場合、最も損をしない返済方法についてランキング形式で紹介する。
1.返済期限猶予中にお金を貯めて繰り上げ返済
返済期限猶予中は利子がかからないので、その期間中にお金を貯めておいて、猶予期間が開けて利息がこれからかかりますよーとなったら一気に繰り上げ返済で返すという方法。
2.親戚から金をかき集めて繰り上げ返済
日本学生支援機構に借さなければいけない金額を親戚からかき集めて、繰り上げ返済で一気に返すという方法。普通に奨学金を返していると利息がかかるが、親戚から無利子で貸してもらえれば利息がかからない分お得。
身内から金を借りるというのは家の恥とも言える行為なので、利息分との兼ね合いで考えましょう。
3.繰り上げ返済をする
ボーナス時やまとまった貯金ができたら、こまめに繰り上げ返済をする。あるいは全額返済できる分を貯めて一気に繰り上げ返済をする。
4.繰り上げ返済をせずに完済する
繰り上げ返済をせずに(知らずに)、言われるがままちびちびと毎月返し続けるというのが一番損です。
奨学金が完済したら、返還完了通知はいつ来る?
奨学金の引き落とし口座(ゆうちょ銀行)に完済分の入金は済ませました。実際に引き落とされるのは9月27日です。
返還完了通知
奨学金が完済できたら返還完了通知(はがき)が送られて来るそうです。
返還完了通知(はがき)をお送りする時期
口座振替(リレー口座)からの振替により完了となった場合・・・振替日から概ね1か月後
払込取扱票により郵便局から払込んだ場合・・・・・払込日から概ね1か月~1か月半後
郵便局以外の金融機関から払込んだ場合・・・・・・払込日から概ね2か月~2か月半後
どんなはがきなのか、届き次第、画像をUPして記事を更新します。
2016年11月11日追記:届いた返済完了通知
振込が9月27日に終わって約1ヶ月後の10月27日頃に返済完了通知が届きました!
ハガキには返済完了証と記載されていました。
僕の場合240万と120万を借りていたので返済完了通知は2枚届きました。
返済完了通知は借り入れ契約ごとに1枚届くようです。
2016年11月11日追記:引き落とし口座の確認は3回すべし
繰上げ返済前、後、ハガキ到着後の3回は引き落とし口座を確認しましょう。
- 奨学金完済前は引き落とされる金額が口座に入っているかの確認
- 奨学金の繰上げ返済完済後は引き落とし金額が正しいかの確認
- 返済完了通知が届いたら、完済後に引き落とされていないかの確認
完了通知が届くのが完済して約1ヶ月後なので、ハガキが届いたら口座を確認して引き落とされていないか確認するとちょうどいいですね。
この記事をブログ等で紹介する際は下のHTMLコードをコピペしてお使い下さい。
泣いて喜びます。
<a href="http://49hack.jp/scholarship/">奨学金を繰り上げ返済しないのは情弱の極み!340万円を繰り上げ返済してみた。</a>
コメント
そんな1年ですぐ完済できるのなら、そもそも借りる必要がなかったのでは…
誤解されているようですが、奨学金を背負って社会人1年目で収入があった場合はできるだけ早く返済した方がいいですよと言う記事です。
借りる必要は該当者全員あるでしょう。返済は前倒しで早めにした方が得。
無利子ならなるべく引き伸ばした方がお得ですよね。
無利子であれば=金利手数料0でお金を借りれていることになるので、返済はせずにそのお金をげ軍資金にして投資をした方がいいと思います。
360万という大金を、それだけ安く借りれることはないと思うので、手もとにお金があるからといって一括返済するのは得策ではないような
金額にもよるけど、たとえば一括返済して車のローン組むくらいなら、車をキャッシュで買った方が安いでしょうし、
車以外でも何かに投資した方が効果的なように思います。
それにしてもスカラネットがエラー多すぎで困ります